“;”(セミコロン)と”:”(コロン)の違いとそれぞれの使い方を説明します。

 

“;”(セミコロン)は「関係性のある文と文を繋ぐ」

「;」(セミコロン)と「:」(コロン)の違いについて正確に知っていますか?おそらく、意識したことがない、使ったことがないという人がほとんどではないのでしょうか。ここではその2つの違いや使い方を例文とともに説明します。 まず、「;」(セミコロン)の役割は「関係性のある文と文を繋ぐ」ことです。 例えば、「and」や「but」などの接続詞で文をつなぐ時、代わりに「;」(セミコロン)を使うことができます。そのため、一度「.(ピリオド)」を使って文を区切ることもできるのですが、「;」(セミコロン)を用いて一文にすることで「関係性のある文と文が繋がっている」ということを示しています。 ・I ordered a cheeseburger for lunch; life’s too short for counting calories. (昼食にチーズバーガーを頼んだよ。人生は、カロリーを数えるには短すぎる。) 上記の例文で「;」(セミコロン)の前の文の「チーズバーガーを食べた」に対し、後ろの文が理由や言い訳となっています。この2文の関係性を、「;」(セミコロン)を用いることで強調することができるのです。 また、2文を対比させたい時や連続するリストを並べたい時にも「;」(セミコロン)が役立ちます。 ・Martha has gone to the library; Andrew has gone to play soccer. (マーサは図書館へ行った。一方アンドリューはサッカーをしに行った。) マーサの行動とアンドリューの行動が対比されていますね。 ・This week’s winners are Joe from Reno, Nevada; Diane from Phoenix, Arizona; and Matt from Irvine, California. (今週の勝者はネバダ・レノ出身のジョーとアリゾナ・フェニックス出身のダイアン、カリフォリニア・アーヴィン出身のマットです。) 上記の例文はアメリカの州名・都市名・人名が並列され、リストとなっています。全てを「,」(カンマ)で区切ってしまうと州名・都市名・人名の関係が非常にわかりにくくなってしまいます。そのため、関係性を維持しながら事項を並べる時に「;」(セミコロン)が活躍してくれます。

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“;”(セミコロン)の使い方と例文

それでは「;」(セミコロン)の使い方を例文とともに更に見ていきましょう。 ・We can go to the museum to do some research; Mondays are pretty quiet there. (リサーチをするために美術館に行ってもいいね。月曜は特に静かだし。) 「;」(セミコロン)の前と後ろの文が繋がっています。「リサーチをしよう」→「月曜がいい」というように話が進んでいますね。「and」や「.」(ピリオド)で代用することができます。 この場合「Monday」が常に大文字で始まる単語なので、「;」(セミコロン)の後ろでも大文字になっていますが「;」(セミコロン)の後ろは通常小文字です。 ・Money is the root of all evil; I don’t believe the reverse is necessarily true. (金は悪の根源だ。でもその逆は、必ずしも真実だとは思わない。) 「;」(セミコロン)の後ろの文は前の文があって初めて成立する、関係性の深い2文です。この場合、前後の文章が対比されているので「;」(セミコロン)の代わりに「but」を使っても正解です。

 

“:”(コロン)は「引用と例を含む言い換え」

「;」(セミコロン)とよく似ていますが、「:」(コロン)は「引用もしくは例を含む言い換え」という役割があり、全く異なる機能を果たす存在です。「:」(コロン)は「that is to say」(すなわち)や「here’s what I mean」(つまり)と言い換えることができます。 ・You know what to do: practice. (やるべきことはわかっているだろう、練習だ。) この文では「やるべきこと」が「:」(コロン)の後ろで「練習」だと具体的な例に言い換えられていますね。 ・He ended with the immortal words of Neil Young: “Rock and Roll can never die.” (彼はネイル・ヤングの不朽の言葉で締めくくった。「ロックンロールは決して死なない」と。) また、引用を表す「:」(コロン)の場合は上記のように誰かの言葉を「:」(コロン)以下で続けます。

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“:”(コロン)の使い方と例文

「:」(コロン)の使い方を例文とともに更に解説します。 ・We have two options here: stay and fight, or run like the wind. (私たちには2つの選択肢がある。留まって戦うか、風のように逃げるか、だ。) 「two options」が「:」(コロン)以下で言い換えられています。 ・A dolphin is not fish: it is a warm-blooded mammal. (イルカは魚ではない。恒温の哺乳類だ。) この例文は「イルカ」が「:」(コロン)以下で詳しく説明されていますね。 ・The minister shouted: “Do not worry. The next time I stand up here, I will have answers to these questions.” (大臣は叫んだ。「心配ない。次に私がここに立つ時に、それらの質問に答えよう。」と。) この「:」(コロン)は引用の働きをしています。上記のように、「:」(コロン)以下の発言は他人の引用でなくとも、本人の言葉に対しても使うことができます。

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“;”(セミコロン)と”:”(コロン)の違い

上記で説明したように、「;」(セミコロン)は「関係性のある文と文を繋ぐ」役割を、「:」(コロン)は「引用と例を含む言い換え」を表しています。見た目こそ似ていますが全くの別物だということは理解できましたか。 また、「;」(セミコロン)はA;Bで対比や同列の関係性を表します。つまり、AもBも同じだけの情報量と重要さを含んでいます。 一方「:」(コロン)の場合はA:BでA>B、「AつまりB」という関係性です。あくまで「:」(コロン)の前の文が重要で「:」(コロン)以下は補足情報にすぎないという違いがあります。 以下の例文を見てみましょう。 ・MY familly’s member are the following: Johnson,my father; Mary, my mother; Ann,my sister. (私の家族構成は以下の通りです。父親・ジョンソン、母親・メアリー、妹・アンです。) 「:」(コロン)で家族構成を具体的に言い換えており、家族を並列に紹介するために「;」(セミコロン)が用いられています。「:」(コロン)は前の文章に重きが置かれますが、「;」(セミコロン)は関係性や対比などを表すため前後の文の重さ(父、母、妹)は同じとなります。

まとめ

「;」(セミコロン)と「:」(コロン)の使い分けはわかりましたか?この2つはネイティブでもきちんと使い分けられている人は少ないくらい、わかりにくいものです。 ですが、正確に使用できていると相手に「できる人」の印象を残すことができます。たくさんの例文を読んで感覚を身につけ、「;」(セミコロン)と「:」(コロン)を文章中で使ってみてください。