スペースジェットが6度目の納入延期。三菱航空機は水谷久和社長から丹羽高興氏へ交代。

 

スペースジェットの納入がが6度目の延期

三菱航空機のスペースジェット事の納入が6度目の延期に

  • ANAには2020年に納入予定が2021年に延期
  • 来期は新人事で開発体制の立て直しを図る
  • 三菱重工業は1500億円の減収

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全日空に対して2020年の納入を目指していた

スペースジェットの納入延期は今回で6度目となります。 三菱重工業の発表によると、配線や電子機器などの設計変更が900カ所以上発生し、機体の安全性を国が証明するTC(形式証明)取得時に使う飛行試験機の完成が滞ったことで初飛行が遅れているとしています。 今回のスペースジェットは通算で10号機となり、今年の6月に完成していました。

 

納入は21年以降になる見込み

三菱重工業は当初の2013年の納入スケジュールより大幅に遅れており、2019年10月31日に地域航空会社3社を持つ米トランス・ステーツ・ホールディングスが最大100購入する契約をキャンセルしています。 ローンチカスタマーであるANAホールディングスの発注が25機で、内訳は確定15機とオプション10機、また日本航空は32機全ての発注を確定しています。 ANAホールディングスへの納入は2021年以降になる見通しで、ANAは「東京オリンピック大会までの納入を期待していたが、2021年度以降になると聞いて残念」と語っています。

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三菱航空機の社長は交代

スペースジェットを開発する三菱航空機は今月6日、都内で開かれた2019年4~12月期決算の正式発表の席で三菱航空機の新人事を発表しました。 同社によると4月1日付けで、会長には社長を務めていた水谷久和氏が就任し、米国三菱重工業の丹羽高興氏が社長に就任します。

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水谷久和氏から丹羽高興氏へ

三菱航空機の社長を務めていた水谷久和氏が会長職につき、米国三菱重工業の丹羽高興常務執行役員が社長に就任します。新体制のもと、開発体制の立て直しを急ぐ模様です。 水谷久和氏は2013年に取締役常務執行役員に就任後、2014年に取締役常務執行役員防衛・宇宙ドメイン長を経て現職に付いています。 スペースジェット事業の2019年度第3四半期事業利益は975億円のマイナスとなっており、新体制のもと事業の立て直しが出来るか注目されています。

丹羽高興氏は三菱重工の常務執行役員

4月1日からの新体制では、三菱重工業常務で米国三菱重工業社長の丹羽高興氏が社長に就任します。 米国での事業経験を持つ丹羽高興氏を社長に起用することで、米国の事業拡大に向けた経営強化を加速させる考えです。 丹羽高興氏には、型式証明取得に向け最終段階にある開発業務の最重要フェーズ(局面)の完遂が求められています。

 

三菱重工は業績の下方修正

三菱重工業は2020年3月期第3四半期の売上を、大幅に下方修正しました。スペースジェット関連事業資産の現存を含む損失、並びに過年度分も含めた累計損失に対する繰延税金資産を計上したことを要因のひとつにあげています。

1500億円の減収

2020年3月期第3四半期の前回売上発表では、親会社の所有者に帰属する当期利益を430億0000百万円から415億0000百万円と1,500億円の減収に下方修正しました。 スペースジェット事業関連資源の減損を含む損失を繰延税金資産を計上したことが要因のひとつとしています。 配当については、前回公表値より変更はないと発表しています。