「あごが落ちる」という慣用句の意味や使い方を解説!由来や類語まで紹介!

 

「あごが落ちる」の意味は「美味しい」

「あごが落ちる」。最近は、あまり聞きなれない慣用句となっていますが、ネット通販をはじめ、いろいろな食品の宣伝文句には意外とよく使われている表現です。 この慣用句の意味は「あごが落ちるほど、美味しい」ということ。ご存知でしたか? この記事では、「あごが落ちる」の正しい意味とその由来、使用法と英語表現などを紹介していきます。 簡単な慣用句ほど、うっかり勘違いしていたり、他の言葉と混同しているなんてことが少なくありません。 まったく別の意味の慣用句、「あごが外れる」と混同して、「あごが落ちるほど、大笑いする、それほどおかしい」ことと勘違いする人も多いようです。 この記事の続きを読んで、正しい意味と使い方をきちんと押さえておきましょう。

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「あごが落ちる」の由来

「あごが落ちる」という言葉の由来は、辞書をあたっても明らかではありません。 なぜ「あごが落ちる」が「美味しい」につながるのか。 この言葉は少なくとも江戸時代には使われていましたが、由来については、その使用法から以下のように推察されています。 美味しいものを食べると、両方のほっぺたの耳の近くあたり、つまりあごの付け根付近がジンジン感じることがあります。これはおいしいものを食べたときに、唾液腺が刺激されるために起こる現象です。 また、おいしいものは、口にたくさん頬張りたくなって、実際に口いっぱいに頬張ってしまうものです。 あごの付け根がジンジンする。口いっぱいに食べ物を頬張って、たとえ話ですが、その重さであごが落ちそうになる。 この2つの状況が「あごが落ちる」という表現につながっていると考えられています。

 

「あごが落ちる」の正しい使い方と例文

さて、ここでは「あごが落ちる」の正しい使い方を例文を見ながら確認しましょう。 本来の意味をきちんと理解して使用しないと、たとえば接待の席などで恥ずかしい思いをすることにもなりかねません。 慣用句は、正しく意味を理解して、正しく使いましょう。

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「あごが落ちる」の正しい使い方

さきほどの「あごが落ちる」の由来で説明した通り、これは「おいしいものを口いっぱいに含んだ」状態から発生した表現で、「とても美味しい」という意味を表現する慣用句となっています。 *使用するときは、この「とても美味しい」という意味と、「口いっぱい」というイメージを大切にしましょう。 * つまり「口いっぱい」ですから、「美味しい」といっても、「飲み物」には使いにくい表現ですね。 このニュアンスは押さえておきましょう。

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「あごが落ちる」の例文

ここでは実際の例文をご紹介します。本来の意味を正しく理解すれば、正しい表現ができるはず。 「あごが落ちる」は、以下のように使います。 「彼女の料理は、あごが落ちるほどおいしいんだ」 「一度でいいから、あごが落ちるほど美味しいフレンチを、おなか一杯に食べてみたい」 美味しくて、なおかつ、いっぱい食べる様子が目に浮かびます。 なお、「あごが落ちる」」だけで、美味しいという意味になるので、 「すごい! あごが落ちます!」 としても、表現としては充分です。 日本語力あるな、とモノのわかった上司なら理解してくれるはず。 あるいは、 「このアゴだしの鍋は美味しすぎて、あごが落ちます」 どうですか? 熱い鍋料理を、ワフワフ言いながら食べる様子が伝わってきますね。 宴席でしたら、以下のアゴだしに関する蘊蓄(うんちく)を披露してみたらいかがでしょう? この「アゴだし」、ご存知の方も多いと思いますが、九州などでは「トビウオ」のことを「アゴ」と呼びます。その「アゴ」で取る出汁(ダシ)のことを「アゴだし」といいます。 さて、このトビウオのことをアゴと呼ぶ、その由来ですが、おいしすぎて「アゴが落ちる」から、という説もあるんです。「アゴが落ちる」が、こんなところに登場します。 言葉って面白いですね。

「あごが落ちる」の類語と英語表記

ここでは、「あごが落ちる」の類語と英語表記を紹介します。 類語を知ることは、その言葉の正しい意味をきちんと理解する上でたいへん重要なことです。 また、正しい意味を忘れそうになったときにも、類語を思い出すと、その意味をすっきりと思い出せます。 また、日本語の独特の表現を英語にするときのコツも、ここで紹介いたします。

 

「あごが落ちる」の類語は「頬が落ちる」

「あごが落ちる」の類語には、「頬が落ちる」「ほっぺたが落ちる」があります。 「ほっぺたが落ちる」なら「あごが落ちる」より、耳慣れている人も多いことでしょう。また、使い慣れている人も多いと思います。 「このイチゴはおいしすぎて頬が落ちそうだ」 「ハンバーガーはこの店に限る! ほっぺたが落ちるぜ!」 「ほっぺたが落ちる」は、よく使われる表現ですよね。

「あごが落ちる」の英語表記は「so delicious」

さて、「あごが落ちる」の英語表記ですが、この「あごが落ちる」をそのまま英訳してもネイティブには伝わりません。 そのまま英訳してみると、 Jaws fall. または、 A chin falls. となります。なんだか、スピルバーグが監督した映画の巨大なサメが登場してきそうな感じがしますね。 この表現では、ネイティブの相手からは、すぐにも外科医にかかるようにすすめられてしまうことでしょう。あるいは悪い冗談と誤解されるのが落ちです。 英語の場合には、「たいへんおいしい」ということを、そのまま伝えればよいのです。 たとえば、 「その料理は、あごが落ちるほどおいしかった」 は、 The food was so delicious. となります。 そうです。so deliciousです。 「とてもおいしかった」と、すなおに表現すれば、正解です。 日本語の慣用句は、意味を理解して、それを素直に英訳すれば」よいのです。 デリシャスという単語は、みなさんもよくご存じの単語ですが、念のために正しい意味を確認しておきましょう。 deliciousは、単に「美味しい」という意ではなく、「とても美味しい」という意味を持ちます。 美味しいモノを食べたときの感動の言葉、作った相手に対する称賛の言葉、として使われるものです。 So delicious! 思わず口をつく表現、これが”delicious”です。 “delicious”の同義語も確認しておきましょう。 “delicious”と同じ意味の表現を知れば、”delicious”が単に「美味しい」だけでなく、「とても」というニュアンスを持つことが理解できます。 たとえば、 So great! Fantastic! Wonderful! Amazing! などが、同じ意味の表現になります。 「あごが落ちる」は、”so delicious”。 覚えておきましょう。