DCMホールディングスが島忠に対しTOBへ。業界最大手への復帰へDCMの目論見とは?

DCMホールディングスが島忠に対しTOBへ。業界最大手への復帰へDCMの目論見とは?

DCMホールディングスが島忠に対しTOBへ

1分で分かるニュースの要点

  • DCMホールディングスが島忠を吸収し、業界トップへ
  • 積極的にM&Aを行うことで成長してきたDCM
  • 今後も業界再編の台風の目となるか

10月2日、ホームセンター業界大手のDCMホールディングスが島忠への友好的TOBを行うことを発表しました。この両社の統合によってDCMホールディングスは再び業界トップの座へと返り咲くことになります。これまでにも積極的にM&Aを行うことで成長してきたDCMホールディングスは市場拡大が望めないホームセンター業界において進む業界再編の台風の目となりそうです。

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島忠を吸収することで業界トップを目指すDCMホールディングス

これまでDCMホールディングスはホームセンター首位の地位を維持してきたものの、2019年度の売上高でカインズに業界トップの座を明け渡していました。 10月2日、DCMホールディングスは島忠を株式公開買い付け(TOB)で完全子会社化することを発表し、王者奪還を狙っています。

 

両社に統合で6000億円規模の売上高へ

2019年度におけるDCMホールディングスの売上高は4300億円で島忠は1400億円であるため、両社の統合が実現することでDCMホールディングスはグループ全体で5700億円の売上をもつことになります。 一方、TOBの対象となった島忠は2016年8月期決算では8.5%だった経常利益率が一貫して低下し続けており、2019年8月には6.2%となるなど、収益性の低下に苦しんでいました。

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買い付け価格は1株4,200円

DCMホールディングスによる島忠に対するTOB価格は1株4200円とされており、発表時点の10月2日における島忠の株価は3520円であるため、約20%のプレミアムを乗せた形となります。 また、このTOBではDCMホールディングスと島忠との間で店舗の立地に重複が少なく、相乗効果の早期における実現が期待できるとして島忠も賛同するTOBとなっています。

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積極的にM&Aを繰り返してきたDCMホールディングス

DCMホールディングスは島忠とのM&Aだけでなく、これまでにも数多くのM&Aを手掛けてきました。 島忠とのM&Aによって業界首位となったDCMホールディングスは今後も市場拡大が見込めないホームセンター業界で生じる業界再編における台風の目となりそうです。

統合などの拡大で業界首位に君臨していたDCM

DCMホールディングスはこれまでにも2007年にはホームセンタータテヤマ、2008年にはホームセンターサンコー、2009年にはオージョイフル、2014年にはホームエキスポなど数多くの統合を手掛けてくることによって、業界首位の座に君臨してきました。 こうした統合による拡大路線は、自前路線で売上高を拡大してきたもう一つの業界大手であるカインズとは対照的な戦略といえます。

 

島忠との統合で業界最大手へ

2019年におけるカインズの売上高が4400億円であるのに対して、島忠を加えたDCMホールディングスはグループ全体で5700億円の売上を得ることになります。 そのため、2019年にそのカインズに売上高で抜かれていたDCMホールディングスは、今回の島忠との統合で再び業界最大手の座へと返り咲くこととなりました。

業界再編が進むホームセンター業界で友好的TOB

DCMホールディングスによる島忠へのTOBは島忠も賛同する友好的TOBでした。 新型コロナウイルスの影響で日用品や家具を扱うホームセンターの需要は一時的に拡大しているものの、長期的にはホームセンター業界の市場規模は縮小が予想されています。 そのため、DCMホールディングスと島忠との統合だけに限らず、ホームセンター業界では統合による業界再編が進んでいます。