ユニゾに対してブラックストーンが再度TOB
ブラックストーンがユニゾHDのTOBを再開
-
ブラックストーンがユニゾHDを1株当たり5,600円でTOB実施へ
-
ブラックストーンの提示価格はチトセア投資より10%のプレミアム
-
ブラックストーンの目的は日本国内の不動産プラットフォーム構築か
1株あたり5,600円でのTOB実施へ
ブラックストーンはユニゾHDが2020年4月30日までに、同社が規定した条件に対しユニゾHDが合意することをTOBの条件にしています。 ブラックストーンは合意書締結後、完全子会社であるアーチンビットコー合同会社が1株当たり5,600円でTOBを実施すると発表しました。 ユニゾHDの公開買付には、チトセア投資が1株当たり5,100円でTOBに応募しているほか、サッポロ合同会社(フォートレスグループ)も29日に、買付価格を5,200円に引き上げるとしています。
チトセアTOBに対して10%のプレミアム
ブラックストーンによる1株当たり5,600円は、チトセア投資に対して10%のプレミアムになります。 ユニゾHDのTOBを巡っては、ブラックストーンとフォートレスグループが応募しており、これまでに何度も買付期間の延長を行ってきました。 ユニゾHD側は従業員の一部、及びローンスターが設立したチトセア投資とTOB成立に向け交渉しており、チトセア投資以外との全ての協議を終了すると発表したばかりでした。
エンプロイーバイアウト(EBO)を目指していたユニゾ
ユニゾHDは、日本で初めてとなる従業員による買付(エンプロイー・バイアウト=EBO)を目指していました。EBOはユニゾHDの一部従業員とローンスターが共同で出資するチトセア投資が実施し、1株当たり5,100円を提示していました。
従業員とローン・スターグループからなるチトセア投資
チトセア投資は、ユニゾHDの従業員を実施株主とするチトセアによって設立された、本件TOBのための会社です。 チトセア投資は、ユニゾHDの従業員の一部が株式総数の73%を、ローン・スターグループが27%を保有し、ローン・スターが買付資金の総額1750億円をチトセア投資に供与しています。 成立後は株式譲渡請求又は株式併合によって、チトセア投資はユニゾHDを完全子会社化する予定でした。
1株あたり5,100円での買い付けを目指していた
今月29日にブラックストーンが5,600円を提示するまで、チトセア投資が提示した5,100円が市場価格及びローン・スター以外のスポンサー価格を上回っていました。 買付予定数の下限は2281万3400株(66.67%)、上限は全株(100%)とし、応募株券の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券の全てを取得する予定でした。 また、TOBが成立後はチトセア投資はユニゾHDを完全子会社化するとしています。
国内3000億円の不動産投資が報じられたブラックストーン
ブラックストーンは日本国内の不動産市場への進出を加速させており、1月28日には国内の賃貸マンションを3000億円で購入することを日本経済新聞が報じました。 これは一括取引としては過去最高額で、投資を目的とした不動産売買を行うと見られています。日本の不動産は世界的な超低金利を背景に利回りは高いといわれています。 そのため、海外投資家が日本の不動産購入を加速しており、国内不動産市場の過熱化が起きています。
ユニゾ株は続伸
ブラックストーンのTOB価格引き上げを受け、ユニゾ株は続伸しています。1月28日に5,190円を付けていた株価は29日には5,530円まで急騰し、30日は5,540円で引けています。 ブラックストーンが提示した買付価格1株当たり5,600円に比べるとディスカウントですが、今後の展開次第では更に上昇することが予想されます。 市場では、現在の株価は企業価値に対して割高と見ており、今後のTOBの結果次第ではTOB価格変更前の5,100円で落ち着く可能性もあるとしています。