吉本興業とUUUMが資本業務提携へ
1分で分かるニュースの要点
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吉本興業がUUUMと業務提携
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UUUMのノウハウ吸収でオンライン事業拡大
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UUUM業績不振で5月通期業績予想を下方修正
資本業務提携を発表した両社
吉本興業の代表取締役社長岡本昭彦氏とUUUM(ウーム)の代表取締役社長CEO鎌田和樹氏は今月28日、両社のウェブサイトを通じて資本業務提携を締結したと発表しました。 インターネットの普及により地上波番組とYouTubeなどのネット媒体との競争が激化している中、双方のファンや視聴者向けの新しいコンテンツを提供することでシナジーが生まれることを期待している模様です。
レベニューシェアで収益を分配
今般の業務提携では双方の収益を分け合うレベニューシェア収益分配型を採用し、吉本興業にとっては新たなYouTube向けビジネスのリスクを最小限に抑えノウハウを得ることができるというメリットがあります。 一方UUUMは吉本興業のタレントのアドセンス収益やタイアップ収益などが寄与され、収益の増加と安定化が期待できます。
提携による両社の目的とは?
吉本興業はUUUMとの業務提携によって所属タレントが開設しているYouTubeチャンネル(約800ch)の規模拡大や企業とのタイアップに活かしたい考えで、UUUMもクリエイターの様々なメディアへの露出によるバリュー拡大を図る考えです。
吉本興業はUUUMが持ち合わせるノウハウで収益向上へ
吉本興業は所属タレントのYouTubeチャンネル(約800ch)をUUUMのサポートを受けチャンネル規模の拡大や企業とのタイアップの獲得によって収益向上を目指していく考えです。 同社では「よしもとニュープロジェクト」と題して様々な新規格を発表しており、OmO(オムニ)のプラットフォームを用意し、YouTubeチャンネルの様々なコンテンツを発信しネットワークを構築するとしています。
UUUMは吉本興業のキャスティング力を利用
UUUMでは吉本興業の持つキャスティング力を利用し、同社クリエイターと吉本興業のタレントとの共同イベントなどの開催の取り組みによって両社クリエイターのバリュー最大化を図る考えです。 同社としてはYouTubeチャンネルの乱立によって業績に陰りが見えており、吉本興業とのコラボレーションによってオフラインでの収益を拡大させたい模様です。
業績の伸びに陰りが見えるUUUM
UUUMは今月14日に発表した5月期第3四半期累計期間の連結業績を下方修正しており、その主な要因として同社のYouTubeチャンネルのシェアが低下していることを挙げ、アドセンスを中心とした売り上げが低下したことが通期業績予想を下回る結果になったと説明しています。
2020年5月通期の業績予想を下方修正
UUUMは2020年5月通期の売上高予想を26,000百万円から22,000百万円に下方修正し、営業利益も450百万円減、経常利益も450百万円減になると発表しました。 また、今後も新型コロナ感染拡大の影響で国内企業の広告出稿数が減ることが予想され、4月∼5月のアドセンス及び広告収益は20%程度減少する可能性が高いとしています。
業務提携で売り上げ向上へ
タレントの活躍の場がオンラインチャンネル・オフラインチャンネル双方に見られるようになり、新しいエンターテイメント事業の形が生まれつつあります。 UUUMとしてもオンラインでの事業が厳しい状況の中で、吉本興業の専属タレントのYouTubeチャンネルが同社のアドセンス収益のアップに寄与することを期待しています。 またオフラインでのイベントなども活発に行っていくことも考えられます。
芸人のYouTube進出やユーチューバーのメディア露出はどこまで増えるか?
芸能人が開設するYouTubeチャンネルで登録者数が10万人を超えるものは約320チャンネル以上あるいわれ、芸人では「中田敦彦のYouTube大学」が登録者数2,18万人を超える人気となっています。 一方、ユーチューバーの「ヒカキン」は約800万人と芸人を圧倒する人気を集めており、テレビタレント以上の知名度を誇っています。今般の両社の提携がどんなシナジーを生むのか業界の注目が集まっています。