戯言とは
（画像：Unsplash）
「戯言」という単語は文章の中でよく出てきますが、読み方が何通りかあるためどの読み方が正しいのか戸惑う人も多くいます。また曖昧なニュアンスを表現する単語なのでどのような場面で使うのが適切か、正しい意味を知ることが大切です。
戯言の読み方は「たわごと・ざれごと・ぎげん」
「戯言」の読み方は「たわごと・ざれごと・ぎげん」です。 「戯」は画数が多く難しい漢字ですが、訓読みは「たわむれる」です。たわむれるとは、ふざけて遊ぶことをいいます。「戯」は他に、楽しく遊ぶという意味の「遊戯（ユウギ）」といった熟語で使われます。 「戯言」は音読みをすると「ぎげん」ですが、現在では「たわごと・ざれごと」を使うことがほとんどです。特に口語では、「ぎげん」が使われることはまずありません。
戯言の意味は「馬鹿げた話、冗談」
「戯言」の意味は「馬鹿げた話、冗談」です。「戯言」は「たわごと」と読む場合と「ざれごと」と読む場合で微妙にニュアンスが変わります。 同じ馬鹿げたという意味でも「たわごと」は空虚で中身がないいい加減な発言を表します。それに対し「ざれごと」はふざけたニュアンスやおどけた様子が強くなります。「たわごと」は相手を怒らせてしまうこともありますが「ざれごと」は相手が笑って受け止める内容です。
戯言の類語・英語
（画像：Unsplash）
「戯言」は日本語では「たわごと」と読むか「ざれごと」と読むかによって意味が微妙に異なります。また「戯言」は聞きなれない言葉なので、場合によっては他の言葉に置き換える必要があります。「戯言」の意味の違いに応じて言い換え表現や英語での表現を使い分けることが大切です。
戯言の類語は「寝言・無稽」
「戯言」の類語は「寝言・無稽」です。 「寝言」は眠っている時に口にしてしまう言葉のことですが、意味の通じない中身のない言葉の比喩表現として用いられることが多くあります。後者の意味が「戯言」の言い換え表現として使えます。 「無稽（むけい）」とは根拠がなくでたらめなことをいいます。理屈が通らず現実味のない話を指し示す「荒唐無稽」という四字熟語が有名です。「無形な話」として「戯言」の言い換え表現にできます。
戯言の英語は「joke・kidding・silly talk」
「戯言」は英語で「joke・kidding・silly talk」です。 ・She always tells jokes. （彼女はいつも冗談を言う。） ・You’re kidding. （からかっているでしょう。） ・It’s silly talk. （馬鹿げた話だ。） 「joke」は周りを楽しませる話、「kidding」は人をからかう話、「silly talk」は馬鹿話という意味です。
戯言の使い方と例文
（画像：Unsplash）
「戯言」は「たわごと」と「ざれごと」という読み方の違いで、ニュアンスが異なるため、使い分けに注意する必要があります。それぞれの読み方における使い方の注意点と例文、また「戯言」の慣用表現について解説します。
「たわごと」と読む場合の例文
まず「たわごと」と読む場合の使い方と例文を紹介します。「戯言」は否定的な意味を表すので、相手に対して使う場合、批判する意図がある時に限る方が無難です。また自分の言った現実感のない理想論や願いに対して、自嘲気味に「戯言」を使う場合もあります。例文は下記の通りです。 ・そんな戯言、聞くだけ時間の無駄だ。 ・戯言だ、忘れてくれ。 「たわごと」と読む場合、あくまで深刻な状況で使います。
「ざれごと」と読む場合の例文
次に「ざれごと」と読む場合の使い方と例文を紹介します。「ざれごと」は「たわごと」とは異なり、ふざけたニュアンスが付加されます。自分に対して使う場合も少しおどけた様子になります。例文は下記の通りです。 ・戯言を言う暇があったら、もっと真剣になってくれ。 ・本気で言ってるわけじゃない、ほんの戯言だ。 「戯言」を「ざれごと」と読む場合、読み間違いを防ぐため「戯れ言」と表記することもあります。
「戯言を抜かす」という意味での例文
「戯言」は、慣用句として「戯言を抜かす」という表現で使われることが多いです。「戯言を抜かす」と使う場合は必ず「たわごと」と読み、「ざれごと」とは読みません。例文は下記の通りです。 ・戯言を抜かすな！ ・そんな戯言を抜かす奴らは全くもって信用できない。 「戯言を抜かす」は「戯言を言う」以上に語気が強く、より苛立ちを表す場合に用いられることが多いという違いがあります。
まとめ
（画像：Unsplash）
「戯言」の意味の使い分けについて解説しました。「戯言」を文章で見かけた時は、読み方がわからないこともあるため、文脈に応じて意味を推測することが大切です。また、会話において「戯言」を使う場合、誤った使い方をすると相手の気分を害してしまうこともあるため、注意することが大切です。
