【ビジネス用語】ダンピングの意味や実例などを徹底解説します!

 

ダンピングの意味は「不適切な価格で販売することで市場を混乱させること」

ダンピング販売

ダンピング販売(画像:Unsplash

「ダンピング」とは「不適切な価格で販売することで市場を混乱させること」で、国内外問わず様々な国や業界で起きたことがあります。これは競合相手を苦しめる戦略的な安売りで、「不当廉売」ともいわれます。 しかし、ダンピングについて過去の具体的な事例や、ダンピングにまつわる熟語を正確に理解している方は少ないかもしれません。この記事を通して「ダンピング」という言葉の理解を深めていきましょう。

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ダンピングの実例

ダンピングの実例

ダンピングの実例(画像:Unsplash

この見出しでは、これまでに起きたダンピングの実例をご紹介します。 ここで紹介するものは、「日本とオーストラリア」「欧州と中国」「アメリカと中国」という3つの地域間で発生したダンピングの実例です。それぞれの事例で発生したダンピングには、対応策として関税が賦課されている点にも注目して下さい。

 

日本のオーストラリアに対するダンピング

日本では「熱間圧延鋼板 」という高温で圧延した鋼を板状に加工した材料が盛んに輸出されていますが、不当に安い価格で輸出していたことから、オーストラリアからアンチダンピング関税の措置を受けていました。 アンチダンピング関税とはダンピングに対して特別に付加する関税のことですが、2017年のオーストラリア政府による調査の結果、今後の継続的なダンピングの影響は低いとされてこの関税も撤廃されました。

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欧州委員会が中国などにダンピング関税を課した

2019年2月には、欧州委員会が中国から輸入されている自動車用鋼製ホイールのダンピング調査を開始していることが明らかになっています。 これは中国からの廉価なホイール製品の輸入がEUで加速し、EU圏内の既存の製造業者が被害を受けていることから始まった調査です。この調査結果によっては5年間の反ダンピング関税が欧州地域から中国に向けて適用される可能性があります。

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米国商務省が中国に対してダンピング関税を課した

中国は現在アメリカにとっての最大貿易相手国であり、アメリカの世界貿易赤字の1/4近くが中国との貿易が原因となっています。 その影響で、2017年には米国商務省が中国から輸入されているプラスチックが不当に安く輸入されているとして、アンチダンピング関税と相殺関税の賦課を決定しています。その後、中国製のトラックやバス用のタイヤやステンレススチール製品などにも同様の措置が取られています。

ダンピングの様々な熟語

ダンピングの熟語

ダンピングの熟語(画像:Unsplash

この見出しでは「ダンピング」を使った様々な熟語の意味の説明と、実際の使い方について説明していきます。 どの熟語も「不当に安い価格による販売」に関する内容になっていますが、「ダンピング」には日本の独占禁止法や世界貿易機関(WTO)が深く関わっていることにも注意しながら読んでみて下さい。

 

ソーシャルダンピング

「ソーシャル・ダンピング」とは「社会的投売」と言われるもので、国や社会的規模で国外に不当に安い価格で輸出を行うことを言います。 ・日本は1930年代に綿布や雑貨の輸出急増について、欧米諸国からソーシャルダンピングの指摘を受けた。 「ソーシャルダンピング」は新興国による輸出量拡大に対して先進国が指摘をすることが多いですが、日本も第二次大戦前の輸出量増加時にソーシャルダンピングの指摘を受けました。

ダンピング受注

公共事業に多いのですが、「ダンピング受注」とは予定価格よりも大幅に安い価格で仕入れ・受注することです。 ・日本の建設業界では1970年代頃からダンピング受注の問題が指摘されていた。 ダンピング受注は手抜き工事に繋がったり、建設現場や建物の安全性低下に繋がる可能性があります。そのため、受注時の予定価格の66.6〜85%の価格を目安として、これを下回る場合には「低入札価格調査」が実施されます。