趣向の4つの意味や「意匠」「技巧」「独創」などとの違いを解説します!

 

趣向とは

趣向とは(画像:Unsplash

「趣向」という単語は非常に幅広い場面で使われることが有り、その意味は多岐にわたります。 この記事ではそんな「趣向」という言葉の使い方や英語表現まで紹介しますが、まずはこの見出しで言葉の意味を確認し類語とのニュアンスの違いを理解しておきましょう。

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趣向の読み方は「しゅこう」

「趣向」は「しゅこう」とよみます。 それぞれの漢字は「趣」は音読みでは「シュ」、訓読みでは「おもむき」「おもむく」と読みます。一方で「向」は音読みでは「コウ」「キョウ」、訓読みでは「むく」「むける」「むかう」と読みます。 つまり「趣向」は2つの漢字それぞれの音読みを合わせた言葉となっています。どちらの漢字も「趣味」「方向」など、日常的に使われる漢字に使われる読み方です。

 

趣向の意味①「方針、意向」

「趣向」の意味は4つありますが、まず1つ目は「方針・意向」という意味です。 この意味は「趣味趣向」という言葉で使われている意味で「趣味の方向性や方針」という意味になります。 その他にも「今までとはプレゼンの趣向を変えた」「キャンペーンの趣向を考える必要がある」など様々なパターンで使うことができ、「方向性」や「意向」という意味を表現できます。

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趣向の意味②「魅力や面白みを出すための工夫」

「趣向」の2つ目の意味は「魅力や面白みを出すための工夫」です。 この意味で使う場合は「趣向を凝らす」という形で使われることが多く、表現の方法を練り上げて独自の魅力や工夫をするという意味になります。 つまり一つ前の「方針、意向」の見出しで説明した意味では「考え方の方向性や方針」という意味で使われていましたが、この意味では「その考え方自体に工夫をこらすこと」という意味になっています。

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趣向の意味③歌舞伎での工夫

「趣向」の3つ目の意味は「歌舞伎での工夫」です。 この意味の基本は「方針、意向」の意味と同じです。つまり「魅力や面白みを出すための工夫」という意味は類似しているのですが、それが「歌舞伎」という世界に限定されて使われることがるということです。 そして歌舞伎のシーンで使われる場合は、特に「演目に変化をつけるための工夫や技術そのもの」という意味で使われることがります。

趣向の意味④俳句での工夫

「趣向」の4つ目の意味は「俳句での工夫」という意味です。 この場合も「歌舞伎での趣向」と同じように、基本は「魅力や面白みを出すための工夫」という意味です。それが特に俳句の世界で作品に面白みを出すための「構成の工夫」という意味で使われています。 つまり「趣向」には「物事の方針・意向」という意味と「魅力や面白みを出すための工夫」という2つの意味があり、2つ目の意味が歌舞伎・俳諧で特殊な意味になっています。

 

趣向と嗜好の違い

「趣向」と「嗜好」の違いは「考え方・工夫」という意味か「好み」という意味かです。 「趣向」は先に説明してきたとおり「物ごとの考え方の方向性・意向」や「魅力や面白みを出すための工夫」という意味でした。 一方で「嗜好」は「ある物事を好み、慣れ親しむこと」という意味です。つまり「嗜好」という言葉は「その人自身の物事の好み」という意味で「考え方や工夫」という意味ではありません。

趣向と趣旨の違い

「趣向」と「趣旨」の違いは「考え方・工夫」という意味か「物事の要点」かという点ですのこと。 「趣向」は「物ごとの考え方の方向性・意向」や「魅力や面白みを出すための工夫」という意味でした。 一方で「趣旨」の意味は「物事を行うにあたって、元になる考え方」や「文章や発言で中心となる意味」という意味です。つまり「趣旨」は簡単に言うと「要点」という意味で、「考え方や工夫」のことではありません。