推敲(すいこう)の意味や使い方を例文とともに紹介します!

「推敲」(すいこう)の要点

  • 意味:「原稿を作成するにあたり一度書き上げた文章を、より良い表現となるように何度も練り上げ吟味する」
  • 由来:「唐時代の詩やそれにまつわる小伝・評論などをまとめた81巻からなる書『唐詩紀事(とうしきじ)』」
  • 例文:「卒業論文で優秀卒業研究を受賞したかった私は、提出ギリギリまで推敲を重ねました。」
  • 類語:「校正」「添削」
  • 英語:「polishing」「improvement」
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推敲とは

(画像:Unsplash

文章を書いた後で、「推敲」を求められた経験がある人も多いことでしょう。その際、文章の見直しをするだけでは「推敲」とはいえません。 ここでは「推敲」という知っているようで知らない言葉の読み方と意味を解説します。まず正しい意味を知ることから始めてください。

 

推敲の読み方は「すいこう」

「推」と「敲」の2文字が使われた「推敲」をどう読むかというと、「すいこう」になります。「推」は音読みで「すい」、訓読みで「お(す)」と読みます。一方の「敲」は音読みで「こう」、訓読みで「たた(く)」「みち」「たたき」と読みます。 「すいこう」と読む漢字は、「遂行」「水光」「推考」「水耕」など他にもあります。

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推敲の意味は「文章などをより良い表現などを求めて吟味すること」

「推敲」は、「原稿を作成するにあたり一度書き上げた文章を、より良い表現となるように何度も練り上げ吟味する」という意味を持ちます。つまり、文章を直す作業に使われる言葉ということです。中でも「言葉の言い回し」や「表現」をより良くするために行われます。 この場合には著者の意図することが伝わる文章になっているのはもちろん、構成や表現もチェックすることになります。

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推敲の由来

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「推敲」は由来がハッキリしている熟語です。それは「故事成語」である「唐詩紀事(とうしきじ)」の中にあります。 ここでは「推敲」の由来について、漢文と和訳も交えて説明します。教養の一つとして、ぜい覚えておいてください。

推敲は故事成語が語源

「推敲」は「唐詩紀事(とうしきじ)」が語源といわれています。唐時代の詩やそれにまつわる小伝・評論などをまとめた81巻からなる書のことを、「唐詩紀事(とうしきじ)」といいます。 その「唐詩紀事(とうしきじ)」に、「推敲」の話が残されていました。唐時代の詩人が詩作について悩んでいた際に、名文家にアドバイスを求めたエピソードが由来となっています。

 

推敲の漢文とその書き下しと口語訳

ここでは「推敲」の漢文(白文)」と口語訳を列記します。 賈島赴挙至京、 騎驢賦詩、 得「僧推月下門」之句。 欲改推作敲。 (中略)不覚衝大尹韓愈。 乃具言。 愈曰、 「敲字佳矣。」 (後略)。 賈島(かとう)は試験を受けるべく長安の都にやってきて、ロバにのりながら詩作していると、「僧は推す月下の門」という句を思いつきました。しかし「推す」を「敲く(たたく)」にすべきではないかと悩みます。(中略)悩んでいるうちに都で長官をしている韓愈(かんゆ)の列に突っ込みました。その時賈島(かとう)が事情を説明すると、韓愈(かんゆ)は「敲という字の方が良い」と答えました。(後略)。

推敲の類語・英語

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「推敲」には類語が多く、意味を混同して使っている人も少なくありません。正しく「推敲」が使えるようになるためには、類語との違いを理解しておく必要があります。 ここでは「推敲」の類語はもちろん、英語表現についても例文を交えながら解説します。