シーズとニーズはどちらが重要?シーズの意味やビジネスシーンでの使い方をご紹介!

シーズとは「開発前の可能性ある技術やノウハウ」

シーズとは大きな企業や大学などで研究されたものの、現時点で必要とされていない事から研究の継続や商品開発に至らず、眠ったまま芽を出していないものをさしています。まさにビジネスの種とも言える存在です。

スポンサーリンク

シーズの使い方と例文

「シーズ思考」 例文「シーズ思考よりもニーズ思考がよい」 自分達が作りたい物を考えるよりも、世の中で必要とされている物を考えるべきという意味です。 「シーズ発想」 例文「シーズ発想に偏り過ぎていて、消費者に目が向いていない」 高性能の商品などを開発しようと考えているが、消費者はその機能を求めていない。という意味合いや場面で使われます。

ビジネスシーンでのシーズ

企業が商品化している特殊な技術や研究などで、現時点では商品化されている以外には需要が無いものの、その技術を応用し育てる事で、将来的に芽が出る可能性がある物を示す際に「シーズ」という言葉が使われます。 また企業が持つ資源や強みを利用して、新たなビジネスモデルを構築出来ないかという発想方法の際に、「シーズ思考」や「シーズ発想」という言葉として使用されています。

スポンサーリンク

研究機関でのシーズ

大学や大企業の研究機関において、将来的に新たな産業となり得る研究や、事業化出来る案件の研究を「研究シーズ」と呼びます。 研究施設は、各研究分野において最先端の発見や、研究成果の証明を日々しているのですが、需要や利潤を考慮せずに行われているので、まさに種(seeds)の状態であり、そのままでは需要がありませんので、芽を出させる(商品開発など)必要があります。

スポンサーリンク

シーズ志向になるコツ

「あると便利」「無いから作る」これらの発想は、必要性からくるニーズ思考と呼ばれています。例えば、パソコンが無い時代には、パソコンは必要(ニーズ)がありませんでしたし、誰も欲していませんでした。普及するにつれて、潜在的なニーズが存在していたかの様に、いつしか必要不可欠な物へと進化していく訳ですが、そういった現象はイノベーション(新機軸の創造)と呼ばれています。 例えば、漫画ドラえもんに出てくる道具の多くは、のび太が困った時に出てくるニーズから生まれる道具です。四次元ポケットから未来の道具を取り出せれば良いわけなので、ドラえもんの存在は必要ありません。四次元ポケットさえあれば、それで多くの事は解決します。 ドラえもんはイノベーションであり、シーズ思考によって生まれた存在です。いつしか、のび太にとって必要なのは、不思議な未来の道具では無く、ドラえもんの存在へと変わっていきます。 まだ、誰も見た事の無い世界を想像し、現時点では必要が無い物を必要不可欠にするイメージを膨らませる事が、シーズ志向になるコツと言えます。

市場調査をしない

シーズ志向になる為の具体的なコツとしての1つが、市場調査をしないという事です。イメージしている商品が既に市場に出回っている物なのかをチェックする程度であれば問題ありませんが、それ以上を調査しても意味がありません。 何故ならば、誰もがそのシステムや商品を現時点では欲しておらず、現時点では誰もが存在する意味を見い出す事が出来ないのですから、誰かとアイデアをポジティブに共有するのは難しいのです。

時代の流れを読む

以前では価値が無かった物が、時代が変わって大きな価値を持つ様になるという事が多くあります。また、時代が変わらずとも、日本ではお金を支払って引き取ってもらっているゴミが、国を変えれば高価な物として売買されている事もあるのです。 そして、生活に必要な物は安価で、不必要な物は高価という側面もあります。生きていく上で必要な食品は、卵や牛乳が数十円値上がりしただけでニュースになります。逆に生活する上で不必要な破れた中古の服やズボンが非常に高額であったり、アニメのキャラクターのフィギュアが高額で取引されていたりします。これらは数十年前までは、価値を見出せる人が少なかったと言えます。これまでは価値が無かった物でも、高価な物に変わるかもしれない種(seeds)は、身近にたくさんあるのかもしれません。

シーズとニーズの違い

シーズは現時点で需要も無く必要とされていないけども、応用や開発されたり、時代の流れと共に、大きな価値を生む可能性がある技術やノウハウです。 ニーズは現時点で消費者が存在し、需要のある物を指します。相反する意味合いや、言葉の響きが似通っているので、ペアで使われる事も多いので、この機会にしっかりと覚えておきましょう。

シーズとニーズの違いは「市場の有無」

2つの言葉を並べて対比させた時、最大の決定的な違いは、「市場の有無」にあります。今、既に需要があり、市場が確立されている分野は「ニーズ」が存在するという事です。ニーズが存在する分野においては、新しい機能を追加したり、バージョンアップしたり、安価にしたりなどの付加価値をつける事で競争していきます。 一方、現時点で市場の無い「シーズ」においては、競争相手が存在しないので、新たなビジネスモデルのパイオニア的な存在になれる事や、市場の独占を手に入れる事が出来る反面、投入した資本金を回収するのが不透明で、時間を要する場合が殆どです。

シーズとニーズに優劣はない

「シーズ思考」だから革新的でスゴイという事も無ければ、「ニーズ思考」の方が現実的で正しいという事もありません。企業はビジネスとして、売り上げを作っていく責任がある中で、どの様にして売り上げを作るのか絶えず考えなければなりません。その売り上げを作る上での手法や考え方として、シーズとニーズが存在しており、どちらが正しいなどの優劣は存在しません。 ただ、企業カラーとして、新たなビジネスモデルを作り上げる事に重きを置いている会社だったり、既にニーズがある世界で他社と機能やコスパで違いを見せていくのが得意な会社だったりという社風は存在します。

シーズに似た表現

「シーズ」の対義語として使われる事の多い「ニーズ」という言葉には、比較対象として「ウォンツ」という言葉が使われる事が多いのですが、「シーズ」に似た表現にどんなものがあるかをご案内していきます。

似た表現1

「シーズ」という言葉の意味合いとしては、「イノベーション」という言葉が似た表現と言えます。「イノベーション」とは、技術革新や新たな技術の発明という意味合いで使われる事の多い言葉です。同業他社が存在しない、もしくは存在していても新たな方式を確立した際に「イノベーション」という言葉を使います。

似た表現2

マーケティングという視点で「シーズ」と「ニーズ」という言葉を考えた場合は、「生産者視点」か「消費者視点」という言葉に置き換える事が出来ます。「シーズ」はこの場合「生産者視点」になります。企業や生産者が消費者に対して、独自の技術やノウハウを活かした提案をする事で、消費者は新しい世界観を得る事が出来ます。

まとめ

「シーズとニーズはどちらが重要なのか?」というタイトルで書き出した記事ですが、実際そのような疑問を持つ方が多く存在するからなのです。 ですが、記事内でも触れた通り「シーズ」と「ニーズ」に優劣はありませんし、重要度合いに違いもありません。 新たな世界の創造は、どの分野においても行れるべきですし、既存のニーズある分野のバージョンアップや同業他社との競争も続けなければなりません。 新たなビジネス用語を覚えて頂くと共に、「シーズ」と「ニーズ」2つの物の考え方を理解して頂けますと、今後のビジネスシーンにおいて有効なアイデアを生み出すきっかけになるのかもしれません。