「レッドオーシャン」戦略の失敗事例を徹底解説!

レッドオーシャンとは

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definition(画像:Unsplash

ビジネス業界で耳にすることのある「レッドオーシャン」。企業に関する戦略論の中で提唱されたこのワードですが、どんなことを意味するのでしょうか。 「レッドオーシャン」に関する具体的な事例を見て行く前に、ここでまずこのワードの意味と由来を理解しておきましょう。

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レッドオーシャンの意味

ビジネスにおける「レッドオーシャン」とは、「競争がとても激しい市場」を指します。 「レッドオーシャン」と表現されるような競争が激しい市場においては、基本的に企業同士の利益の奪い合いが行われます。このような状況において過激な価格競争などが繰り広げられ、非常に激しい戦いが繰り広げられます。 後ほど紹介しますが、「レッドオーシャン」での戦いでは多くの犠牲が生まれ、状況が悪ければ市場撤退などを余儀無くされることも少なくない、過酷な環境です。

 

レッドオーシャンの由来

「レッドオーシャン」の由来は、「血で血を洗う激しい戦いの様子」です。 「レッドオーシャン」は、直訳すると「赤い海」となります。「レッドオーシャン」と呼ばれる市場においては、先述のように苦しい戦いが繰り広げられます。身を削りながらも戦いが続けられる市場の様子を表すワードとして、W・チャン・キム、レネ・モボルニュ共著の「ブルー・オーシャン戦略」で紹介した概念です。

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レッドオーシャンの対義語はブルーオーシャン

競合がひしめき合う状態が「レッドオーシャン」であるのに対して、「ブルーオーシャン」がその対義語となります。 同じく「ブルー・オーシャン戦略」で提唱された概念で、「ほかに競合がいない状態」を示します。既存の競争相手がほとんどおらず、その市場を独り占めできる状態に近いことを示します。 一方で、「ブルーオーシャン」は将来的に競争相手も参入してきやすいということになりますから、新規参入に備えて競争力を充実させておくことが大切です。

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レッドオーシャン戦略の失敗事例

(画像:Unsplash

「レッドオーシャン」では、戦略を打たなければ没落して行きます。 ここでは、「レッドオーシャン戦略」に失敗し衰退した企業をご紹介します。「レッドオーシャン」での競争に勝てず市場から姿を消していった企業のケースを通して、競争の激しい市場においてどの様な戦略が求められるのかを学んで行きましょう。

シャープ

近年「シャープ問題」としても注目されたシャープは、「レッドオーシャン戦略」に失敗した過去があります。 シャープは、液晶パネル技術でブランドを確立した大企業です。シャープが立ち上げた「世界の亀山」ブランドは、世界中で注目されました。 しかしながら、この成功をもとに液晶技術に注力し続けたことから価格競争に巻き込まれ、後発の海外メーカーによる低価格液晶との総力競争を余儀無くされました。結果、シャープの市場シェアと業績は悪化してしまいました。

 

NEC

NECも、「レッドオーシャン戦略」に負け、半導体メモリー市場から敗退した企業の一つです。 半導体市場は、1980年代から1990年代にかけて韓国勢力との競争が激化し、日本勢力が敗退した過去があります。 当初、NECによる半導体メモリーは世界シェアの大半を占めていました。しかし国内技術者の解雇に続いて韓国に技術者が流出してしまいました。結果、韓国勢力はより安価で高性能な半導体メモリーの生産が可能になり、日本企業は韓国企業にシェアを大きく奪われてしまったのです。

パナソニック

似た様な事例では、テレビ事業で韓国に押されるパナソニックが挙げられます。 パナソニックでは、薄型テレビを生産する際、パーツの自社生産にこだわりました。結果として、設備投資が膨らみ財政を圧迫します。対して、競合する韓国のサムスン電子は自社生産にはこだわらず、他社産のパーツを柔軟に利用しています。 最終的にサムスン電子は高性能の薄型テレビを安価に、迅速に展開できる様になり、パナソニックは赤字が続いてしまうという結果になりました。