ペルソナとはなに？成功事例を用いて解説していきます！│ビズキャリonline　仕事と生活

ペルソナとは「商品やサービスを作る際のターゲットの人々のこと」

マーケティング用語で、ペルソナとは「商品やサービスを作る際のターゲットの人々のこと」をいいます。もともとペルソナはラテン語で「仮面」という意味でそれが転じて「人格」という意味で使われるようになりました。その後、マーケティングにおいて企業が商品やサービスの構想を練るときに、イメージしやすい具体的なターゲット像を設定する際にペルソナという言葉が用いられるようになりました。

ペルソナを作るメリットとや必要性

ペルソナを設定することは、企業戦略を有利に導きます。ペルソナを設定することで、企業は様々なメリットを享受することができるでしょう。ペルソナを設定することで得られる企業のメリットについて、順番に解説していきます。ペルソナマーケティングを取り入れたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

商品やサービスのターゲットが明確になる

まず、ペルソナを架空の存在として設定することで、商品やサービスのターゲットが明確になるというメリットがあります。ある商品やサービスが、実際にどのような人々に受け入れられるのか、どんな使い方をされるのか、企画や開発段階ではなかなかイメージできません。しかし、ペルソナを設定することで、ターゲットをより具体的にイメージしやすくなります。

社員が皆共通の目標を持つことができる

商品やサービスを企画したり、広告を打ち出したり営業したりするときに、共通のイメージがないとなかなか一致団結して取り組むことができません。同じ商品やサービスでも、誰に向けて作るのか、どんな使い方をしてほしいのかなどの情報が社員の間で共有されていないと、余計な混乱や誤解を招いてしまうことになります。しかし、ペルソナを作ることで社員は具体的に商品・サービスを使う人々のイメージ像を共有することができ、会議など様々な場面で共通の目標を持つことができるでしょう。

商品やサービスの内容が細かく決定できる

ペルソナを作ることで、商品やサービスのより具体的な使用シーンをイメージできるようになります。営業や広告だけでなく、商品開発においても大きな意味を持ちます。また、ペルソナを作るときはペルソナの年収も設定します。そのため、ペルソナの年収を踏まえた価格設定をもとに商品やサービスを開発できるのも、ペルソナを作るメリットといえるでしょう。

ユーザーが本当に欲している物を作れる

ペルソナを作ることで、「仕事で忙しい年代なので、機能はシンプルにしよう」「こういったサービスを付加すれば、より価値が高まるかもしれない」といったように、ユーザー視点で商品開発ができるようになります。商品開発において「こういう物を作りたい！」という気持ちが強すぎると、ユーザーが置いてけぼりになってしまうことがあります。ペルソナを作ることで、常にユーザー視点を意識できるのは大きなメリットでしょう。

社外の人間に商品やサービスのコンセプトを伝えやすい

ペルソナを作るメリットは、社内の商品開発にとどまりません。ペルソナを作ることは、社外の人間に対するアプローチにおいても役立ちます。具体的なペルソナを設定し、使用場面を説明することで、社外の人間に商品やサービスのコンセプトを伝えやすくなります。目新しい商品やサービスは、初めて目にする人にとっては簡単には受け入れられません。ペルソナには、そんな相手の心のバリアを取り払ってくれるというメリットもあるのです。

ペルソナの作り方

ここまで、ペルソナを作るメリットとや必要性について詳しく解説しました。ペルソナを設定することで、社内外問わずさまざまなメリットが得られることがわかります。ペルソナは社員の共通認識ももたらしてくれるので、ぜひペルソナを活用しましょう。続いては、ペルソナを設定する方法についてわかりやすく解説します。ペルソナの作り方を知って、実際の商品開発や広告戦略に活かしてみてください。

先入観や偏見をなくす

ペルソナを作るというと、商品開発・企画側が会議で案を出し合うことをイメージする人も多いのではないでしょうか。しかし、そうやって出された意見は商品開発・企画側にかたよった意見になってしまいがちです。ペルソナを作るうえで最も大切なのは、まず先入観や偏見を捨てることです。ニュートラルでフラットな状態から、ペルソナの設定を行いましょう。個人的な経験や思い込みからペルソナ設定を行うことはとても危険です。

ヒアリングやアンケートを行う

ペルソナを作る際には、まず大まかにその商品やサービスのターゲットとなりそうな年代・性別を対象として、ヒアリングやアンケートを行います。その情報を収集・分析してペルソナを作ります。ヒアリングやアンケートは顧客に対してだけでなく、社内の人間や知人に対しても行うことがあります。できるだけ具体的な事例や正直な意見・感想が集まる方法を工夫しながら情報を収集しましょう。

年齢、職業、家族構成、収入などできるだけ細かく人物像を設定

集めた情報をもとに、いよいよペルソナを設定します。ペルソナには、細かく項目を設定していくようにしましょう。漠然としたイメージのままでは、ペルソナを作る意味がありません。年齢・職業・家族構成・収入などの人物設定は最低限決めましょう。他にも、学歴や趣味、愛読書、好む場所などマーケティングに役立ちそうな細かな設定を付け加えます。社員がペルソナをイメージしやすいよう、ペルソナに名前をつけることも多くあります。大切なのは、明確にイメージを共有できるような具体的な人物像にまで落とし込むことです。

ペルソナマーケティングの成功事例

ここまで、実際にペルソナを作る方法を詳しく解説しました。続いては、誰もが知っている有名企業が実施したペルソナマーケティングのうまく言った事例を3つご紹介します。ペルソナマーケティングを活用して商品・サービスのよさが最大限発揮されるようにし、世に送り出しましょう。

例

ペルソナマーケティングの成功事例として有名なのは、スープ・ストック・トーキョーの事例です。たくさんのスープを選べるスープ・ストック・トーキョーは、女性に大人気のお店です。スープ・ストック・トーキョーが設定したペルソナには、37歳キャリアウーマン、装飾性より機能性を求める、などいくつかの具体的な設定がされています。このペルソナを満足させる商品・サービスを追求した結果、スープ・ストック・トーキョーの商品・サービスが決まりました。スープ・ストック・トーキョーは結果的に大成功を収めました。

例

続いて、ポテトチップスで有名なカルビーの事例です。カルビーは若い世代の女性が特定の年齢で自社製品から離脱してしまう現象に注目し、この世代をターゲットとしたペルソナ設定を行いました。カルビーは、27歳の独身女性のペルソナを設定し、ペルソナに応じてパッケージやCMを大きく見直しました。結果的に、ペルソナ設定をしたことによって、ジャガビーはカルビーを支えるヒット商品へと成長し、売上に大きく貢献しています。

例

最後に、南都銀行の事例です。南都銀行は、支店を訪れる2人の人物像のペルソナ設定を行いました。ペルソナを設定したうえでブランド戦略を抜本的に見直し、支店のデザインを変えたことで、当初の目的通りお客様の認知度向上を達成することができました。商品開発以外にも、ブランド戦略においてもペルソナマーケティングは非常に効果的です。

まとめ

ペルソナを設定するメリットやペルソナの設定の仕方、ペルソナマーケティングを用いた企業の成功事例をご紹介しました。ペルソナを設定することで、社員は共通認識を持って開発や広告、営業に取り組むことができます。会議などでなかなか有意義な意見が出ない場合は、ペルソナマーケティングを積極的に取り入れてみるといいでしょう。