OrigamiPayの買収は事実上の経営破綻。メルカリの買収は吉と出るか凶と出るか?

OrigamiPayの買収は事実上の経営破綻。メルカリの買収は吉と出るか凶と出るか?

事実上の経営破綻だったOrigamiPay

1分でわかるニュースの要点

  • OrigamiPayが1株1円でメルペイに買収
  • スマホ決済に大手参入で経営悪化
  • メルペイも赤字経営

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売却額は1株1円か?

メルカリのスマートホン決済子会社のメルペイはスマホ決済をいち早くスタートさせたOrigamiの全株式を取得し、2月25日をめどに子会社にすると発表しました。 メルペイへの売却価格は非公表ですが関係者によると1株1円とされています。Origamiの株数は259万株なので譲渡価格は約259万円になります。 日本経済新聞社の調査ではOrigamiの企業価値は417億円とされていて、桁違いの譲渡価格は事実上の経営破綻と見られています。

 

従業員も大量リストラへ

Origamiは売却と同時に大量の人員削減を行うとされています。現在いる185人の社員のうち170人近くが2月末で退職になるようです。 Origamiでは1株1円という破格な価格での売却と引き換えに従業員の雇用維持をメルペイに要請したとされていますが、人員削減が買収条件だったようです。 資金がショート寸前だったOrigamiとしてはメルペイの条件をのまざるを得なかったと見られ、実質的な経営破綻による事実上の解雇とされています。

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業績不振だったOrigami

Origamiはスマートフォン決済サービスを2016年にいち早く始めましたが、業績はよくなく2018年の営業利益は25億4,400万円ものマイナスとなっています。このような業績不振に陥ったのはどうしてでしょうか。

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営業赤字は年々増加

Origamiの売上高を見ると2018年は2億2,200万円ですが、営業利益は25億4,400万円もの赤字となっています。 Origamiは2012年に設立され、スマートフォン決済サービスには2016年からOrigami Payの提供を他社に先駆けて開始しました。 しかし2018年ごろから大手企業がスマホ決済市場に参入してきたため競争が激化し、Origamiは業績の悪化で赤字は年々増加するでした。

参入する大手への対抗策はなく

いち早くスマートフォン決済サービスを開始したOrigamiですが、その後大手企業の参入に対し対抗策がないまま赤字を重ねたと見られています。 スマホの決済にはLINE Payが最も早い2014年にスタートし、2016年にOrigami Pay、Apple Pay、楽天ペイ、2018年にセブンペイ、PayPay、アマゾンペイ、d払いなどが参入し現在20種類ほどあります。 2018年4月から経済産業省がキャッシュレス化を推進してポイント還元のキャンペーン競争が激化しました。

 

メルカリの買収は”正解”だったのか?

年々赤字を重ねるOrigamiですが、買収するメルペイも赤字を続けていて親会社のメルカリは本業が順調とはいえメルペイの赤字で赤字経営を続けている状況です。果たしてOrigami買収は正解だったのでしょうか。

メルカリの業績悪化に繋がる可能性

メルカリは中古品などの個人間売買を仲介するフリマアプリの国内最大手ですが、子会社メルペイによるOrigamiの買収はメルカリの業績悪化につながる懸念が指摘されています。 その理由の一つはメルカリの赤字経営で、メルカリの営業損益は2019年6月期121億4900万円、2020年6月期も70億1000万円のマイナスが見込まれています。 もう一つはメルペイも最近数年赤字を続いていて、赤字が拡大しているOrigamiと一つになってもメリットがないといわれています。