社会問題となっているニートと呼ばれる人たちの末路
1分でわかるニュースの要点
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ニートの大半は就職氷河期に就職できなかった人々
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ニートと親はそれぞれ高齢化
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8050問題の喫緊の解決が政府の課題
働く意欲すらない若者
「ニート」と呼ばれる若者には働く意欲すらありません。両親の収入に頼って生きることの何の疑問を感じていないのが実態です。自宅から外出することさえ面倒だと感じるようになります。 「ニート」の大半は「ひきこもり」です。この状態が続くとメンタル面において何らかの問題が生じることは避けられません。実際「ニート」の存在は社会に様々な課題を及ぼしています。
多様化する家庭環境や就職難などが増加傾向の要因か?
「ニート」が増加した原因は多様化する家庭環境や就職難が主な原因です。日本人は諸外国と比べて勤勉で真面目だと評されています。ただし一度挫折を味わうとダメージから立ち直りにくいのが特徴です。 「就職氷河期」には多くの非正規社員を生み出しました。厳しい受験戦争を勝ち抜き、一流大学に入学したにも関わらず正社員で働けない現実を受け入れられなかったことは容易に想像できます。
悲惨なニートの末路となる8050問題と実際に起きた事件
就職氷河期に「ニート」となった若者も50歳代に差し掛かってきました。また親の世代も80歳代が中心となり、今後の大きな課題であることはいうまでもありません。想定される悲惨なニートの末路、実際に起こった事件とはどのようなものでしょうか。
引きこもりや費用を全て親などに頼る生活
「ニート」の大半は定職を持たずに引きこもり生活に身を投じ抜け出せません。生活費は両親が負担しているのが現状です。しかし就職氷河期に「ニート」となった若者は50歳代、親は80歳代に差し掛かっています。 両親は介護が必要な年代となり金銭問題や孤独死も増えるでしょう。このことを8050問題と呼び、政府は対策に頭を悩ませています。
高齢になると仕事もなくなり、孤独死も
8050問題の末路は極めて悲惨です。高齢になると仕事をしたくても働き口がなくなります。いくら労働力不足でも20年以上「ニート」「引きこもり」を続けていた人を雇用する会社はありません。 仮に雇用しても長続きしないことが大半です。「ニート」は独身が大半ですから両親が亡くなると身寄りもなく、孤独死するケースも少なくありません。さらには凶悪事件を引き起こす恐れすらあります。
豊川市一家5人殺傷事件
豊川市一家5人殺傷事件は「ニート」が引き起こした凶悪事件です。10年以上引きこもり生活を続けていた「ニート」が突然家族に襲いかかりました。その結果2人を殺害、3人に重傷を負わせた上、自宅を放火しています。 「ニート」には自閉症や知的障害などのメンタル疾患が認められました。家族に危害を加えられることほど辛いものはありません。家族と「ニート」の在り方について考えさせられる事件だといえるでしょう。
農水省元事務次官息子刺殺事件
農水省元事務次官息子刺殺事件は「ニート」が被害者となった事例です。一人暮らしから自宅に戻った「ニート」の言動に不安を抱いた父親が彼を殺害したのが事件の経緯です。 自宅に戻ってからに「ニート」は家庭内暴力を繰り広げており、父親としては思い余っての犯行であることは想像に難くありません。この事件では「ニート」が犯罪予備軍であるかのような報道姿勢が問題視されました。