雇用保険被保険者証は番号が重要。紛失時の再発行方法や離職票との違いは?

1分でわかる雇用保険被保険者証

  • 雇用保険被保険者証は雇用保険加入の証明書類
  • 離職時に雇用主から渡され、失業給付等に利用
  • 景気後退が懸念される今、交付に不備がないか確認必要

新型コロナウイルスの影響で景気が後退し、失業者が今後増加するのではないかと懸念されています。 失業に備えて押さえておきたいのが雇用保険制度であり、中でも雇用保険被保険者証は会社から交付される重要な書類です。 多くのサラリーマンはふだん雇用保険を意識することはないかもしれませんが、失業時に大事な役割を果たしますので、雇用保険被保険者証についてマスターしておきましょう。

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雇用保険被保険者証とは

雇用保険被保険者証は雇用保険への加入を証明する書類ですが、同じ証明書類でも健康保険証のように普段持ち歩かないのであまりなじみのない書類です。 しかし、被保険者番号で管理され、失業時のほか再就職のときにも必要になる重要な書類です。

雇用保険加入を証明するもの

雇用保険被保険者証は書いて字のごとく、雇用保険の加入を証明するものです。では、いつ雇用保険の加入を証明する必要があるかというと、労働者が失業した場合などです。 雇用保険は労働者の失業を保険事故として、労働者に対し必要な給付を行い、その生活の安定や再就職の支援を行います。 民間企業に勤めていると、多かれ少なかれ倒産する可能性がありますが、雇用保険は労働者が路頭に迷うことがないよう、事業主には加入義務を課す社会保険です。

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離職時に雇用主から渡される

このように雇用保険への加入は事業主が労働者を雇ったときなので、雇用保険被保険者証が発行されるのはその時ということになります。ただし、会社が発行するのではなく、公共職業安定所(ハローワーク)が発行することに注意が必要です。 また、発行された雇用保険被保険者証が労働者に対して交付されることは稀です。 なぜならこの証明書が役に立つのは保険事故が生じたときです。それまでは紛失されると手間なので、会社が保管しておくのが通例です。

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被保険者番号が重要

雇用保険はハローワークが所管しており、被保険者を番号で管理しています。番号は11桁の数字で構成されており、加入者一人一人に割り当てられています。 失業手当を受けるときの申請書類には、この被保険者番号を記載しなければなりません。 このように被保険者番号は重要ですが、桁数が多く覚えにくいので、できれば手帳などに記録しておくと申請の際などに役に立ちます。

雇用保険被保険者証は再就職の際に必要

また、雇用保険被保険者証は失業時に利用されますが、一度雇用保険に係る給付制度を利用しても保険は終了しません。 この点は健康保険などの他の保険制度と同様です。つまり、原則として再就職後も雇用保険は継続し、従前の被保険者番号が引き継がれます。 そして再就職先の会社が再就職者のために雇用保険料を負担することになるので、再就職するときにはこの被保険者証を再就職先に提出する必要があります。

雇用保険被保険者証を無くした場合、返却されない場合

では雇用保険被保険者証を無くしたり、勤めていた会社から返してもらえなかった場合(本来は労働者の証明書類です)、失業時の給付制度は利用できないことになるのでしょうか。 実は、ハローワークに手続きをとることにより再発行を受けることができるので、こういった場合でも心配には及びません。

ハローワークで再発行可能

雇用保険被保険者証は最寄りのハローワークにて再発行可能です。うまくいけば出向いたその日に交付を受けることが可能です。 再交付の申請書に被保険者番号、以前に勤めていた会社名・住所・電話番号を記載するので、これらが分かるものを用意していきましょう。 ただし、被保険者番号はわからなければそのままでも構いません。免許証等本人確認書類と従前勤めていた会社を照合して正しいかどうか判断されます。

オンラインでも再発行可能

また、雇用保険被保険者証の再発行手続きはハローワークインターネットサービスを利用することによりオンラインで行うことでも可能です。 オンラインは365日、24時間いつでも申請することができるのでおすすめです。オンラインの申請は政府のe-Gov(イーガブ)を利用して行います。 ただし、e-Govを利用するには電子署名が必要であり、あらかじめ電子証明書を入手する必要があるので注意が必要です。

場合によっては新規で雇用保険に加入することも

雇用保険の被保険者番号は、非加入期間が7年続くと、失効するという仕組みです。 つまり、退職から7年以上がたってから再就職が決まったという場合には、以前の被保険者番号が新しい会社に引き継がれることはありません。 このケースでは、再就職した会社であらためて雇用保険に加入し、新しい被保険者番号を取得する必要があります。再就職先の経理の担当者等に確認してみましょう。

雇用保険被保険者証と離職票の違い

雇用保険被保険者証と似て非なるものに「離職票」という書類がありますが、両者は異なるので注意が必要です。 前者は「雇用保険の加入を証する書類」ですが、後者は「離職を証する書類」です。証明しているものが異なります。 また「離職票」の発行主体は会社であり、その点も雇用保険被保険者証とは異なります。ただし、離職票を持ってハローワークに行くと離職を前提とする各種の給付等が受けられる仕組みであり、使用される場面は両者似ています。

雇用保険被保険者証を取得しスムーズに転職活動を

雇用保険は雇われている間は特に意識するものではありません。普段は意識されず安心をいただいているという点で生命保険などの保険と同じといえます。 しかし失業した際には、一転してセーフティーネットとして働いてくれます。失業給付は失業時の大切な収入源であり、これらの給付の有無が転職活動に影響を与えることもあります。 スムーズに転職活動ができるよう、いまいちど雇用保険被保険者証の取得に不備がないか確認しておくべきでしょう。