公明正大の読み方は「こうめいせいだい」
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「公明正大」は「公明」と「正大」の2語に分類できます。そのすべてを音読みするので、「公明正大」は「こうめいせいだい」となります。 「こうみょうせいだい」「こうめいしょうだい」と間違って読む人もいるようですので、正しい読み方を覚えておきましょう。
公明正大(こうめいせいだい)の意味は「公平、公正で堂々と構えること」
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「公明正大」を成している「公明」には、「私欲がなく隠しごともない様子」という意味があります。一方の「正大」は「清々しく明確な様子」「行動や態度が堂々としている」ことを指します。 2つの熟語が使われている「公明正大」は、「良心に恥じることのなく公平で正しいこと」を意味します。
公明正大(こうめいせいだい)の使い方と例文
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「公明正大」は人の性格や能力に加え、物事を表す言葉としても使われます。そのため会社や経営、剣道・書道などにも用いられます。 ここでは「公明正大」で見聞きする機会が多い使い方について、例文を交えて紹介します。
例文①公明正大に利益を追求する
会社や経営の場面で使われることが多い表現に、「公明正大に利益を追求する」があげられます。その場合、「お客さまに対して安心で誠実な商品やサービスを提供することで、企業利益をあげる」という姿勢を表します。 ・弊社は高品質の商品を低価格で販売し、公明正大に利益を追求してまいります。 この場合、「商品やサービスをつくるにあたり不正や隠し事がない」ことをアピールする目的で使います。
例文②公明正大の精神
武道やスポーツの世界で多用されているのが、「公明正大の精神」です。この場合は「自分も他人もごまかしたりしない良心」を指します。 ・私たちは公明正大の精神でこの大会に臨みます。 ・我が校は公明正大の精神をモットーとし、生徒指導にあたっています。 「公明正大の精神」は「人に疑われるようなことはしない」「人目をはばかるようなことはしない」という、決意を表す言葉でもあります。
例文③公明正大な人
「公明正大な人」は誉め言葉として多用されています。「正義感が強い」「私利私欲がない」「寛容である」という意味で、他者を誉める際に使います。 ・チームや選手が誰であれ的確にジャッジするあの審判員は、公明正大な人として尊敬を集めています。 ・年齢や社歴にこだわらず正当に評価してくれる社長は、公明正大の人といえます。 この場合は「いかなる状況でも私情をまじえず、中立の立場で正しく判断してくれる人物」を表します。
公明正大(こうめいせいだい)の英語
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「公明正大」を直訳できる英単語はなく、最もニュアンスが近いのが「fairness」です。「fairness」は「公正」「公平」という意味を持ちます。 ・This decision demonstrates her sense of fairness. （この決定は彼女の公明正大さを示しています。） ・The verdict is a tribute to their fairness. （評決は公正命題な審議が行われた証しです。） 「fairness」を和訳する際には「公平を期す」という表現になることもあるので、注意が必要です。
公明正大(こうめいせいだい)の類義語
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「公明正大」は四字熟語だけでも、様々な類語があります。例をあげると、「厳正中立」「是々非々」「無私無偏」「正々堂々」「正面突破」「公平無私」「心知光明」などです。 ここではその一部について例文を交え、「公明正大」と比較しながら意味を説明します。
公明正大と厳正中立との違い
「公明正大」は「公平で正しい」ことを意味します。類語である「厳正中立（げんせいちゅうりつ）」は「争いごとが起こった際、どちらかの立場や考えに偏ることなく公平に扱う」という意味を持ちます。 ・クラスメートの間でトラブルが起こった時に、先生は厳正中立を守って仲裁してくれました。 ・加盟国間における紛争の裁定は、国連が厳正中立に行うべきです。 「厳正中立」を使う場合は、「基準に則って公平に扱う」というニュアンスが強まります。
公明正大と是々非々との違い
「公明正大」には「一方に偏らずに判断する」という意味があります。類語である「是々非々」は、「立場にとらわれず正しいか間違っているかで判断する」ことを指します。 ・グループ内には親しい友人もいますが、共通の問題については是々非々に対応していきます。 ・政府には経済大国に忖度せずに、是々非々の外交を期待したいものです。 「是々非々」は「主張をしているのが敵であっても、正論であれば指示する」という意味で使われます。
公明正大と無私無偏との違い
「公明正大」は「良心に恥じない正しい判断をする」という意味でも使われます。「無私無偏（むしむへん）」もほぼ同義で、「自分の利益を度外視して公平に判断する」という意味で用いられます。 ・社員のやる気が感じられる職場は、無私無偏な人事が行われているという共通点があります。 ・他の子どもと一緒に我が子の指導をすると、無私無偏でいるのが難しいです。 「無私無偏」の場合、「どんな状況下でも隔たりなく公平である」というニュアンスが強まります。
公正明大と正々堂々の違い
「公明正大」には「自分の良心に恥じない態度や様子」という意味もあります。「正々堂々」はその意味に近く、「正しく整い盛んな様子」を表す言葉です。 ・彼はケガが完治していませんでしたが、正々堂々と勝負に臨みました。 ・正々堂々と戦って負けたのだから、恥じることはありません。 「正々堂々」には、「負けることが明確であっても、毅然とした態度で挑む」という意味が含まれます。
公正明大と正面突破の違い
「公明正大」には「清々しく堂々とした態度」という意味もあります。それに近いのが「正面突破」という類語で、「正々堂々と一般的な方法で物事にあたる」ことを指します。 ・どんなに鉄壁なディフェンスだと感じても、テクニックで叶わないなら正面突破するしかありません。 「正面突破」は「真正面から相手にぶつかる」「正々堂々と進む」ことを意味し、「正攻法で行く」と置き換えることができます。
公正明大(こうめいせいだい)の対義語は「依怙贔屓」
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「一方にかたよることなく正しく判断する」という「公明正大」の対義語は、「依怙贔屓（えこひいき）」です。「依怙贔屓」は、「気に入っている側のみに肩入れする」ことを意味します。 ・どんなに練習をがんばっても、監督は依怙贔屓するので私はレギュラーになれません。 ・私を依怙贔屓してくれている取引先には、他より豪華な贈答品を贈っています。 「依怙贔屓」は人として好まれる行為ではなく、他者を非難する意味で使われます。
公正明大(こうめいせいだい)の使い方と例文
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「公明正大」は人の性質や能力、物事など使われる範囲が多岐にわたります。そのためビジネスシーンでも使われることが多いです。 ここでは「公明正大な人」「公明正大な選挙」「公明正大を掲げる」の3つを取り上げ、例文を交えて意味を説明します。
例文①公明正大な人
最も使用頻度が高いのが「公明正大な人」でしょう。これは「私情をまじえることなく、正しく振舞う人物」という意味で使われます。 ・部長は公明正大な人なので、見えないところで努力した部下をきちんと評価してくれます。 ・監督とは練習メニューについて激論を戦わせることもありますが、公明正大な人なので理にかなったことは取り入れてくれます。 「公明正大な人」は面識の有無に関わらず、人の性格や能力を誉める言葉として使われると覚えておきましょう。
例文②公明正大な選挙
ここ数年、国民の多くが願っていることに「公明正大な選挙」があるのではないでしょうか。この場合は「不正やごまかしが一切ない選挙」という意味で用いられます。 ・公明正大な選挙が行われない限り、一部の利権が優先される世の中は変わらないと思います。 ・公明正大な選挙を行いたいと考えるから、インターネット投票に疑問を感じてしまうのです。 「公明正大な選挙」は出馬する政治家だけでなく、選ぶ私たち国民も意識すべき言葉といえそうです。
例文③公明正大を掲げる
企業や学校のスローガンに、「公明正大を掲げる」という言葉が使われることがあります。これは「良心に恥じることなく正しいことを行う」という、立場を明言した表現です。 ・公明正大を掲げて、真摯に消費者の皆さまと向き合っていきたいと思います。 ・我が校では古くから公明正大を掲げ、即戦力となる人材の育成に力を注いできました。 不祥事を起こした企業が「公明正大を掲げる」と公約することもあります。表現として覚えておきましょう。
公明正大(こうめいせいだい)なタイプの人の見分け方
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周囲を見渡すと「公明正大なタイプ」だと思う人が見つかるはずです。しかし「公明正大なタイプ」を判断する基準には、個人差があります。 ここでは「公明正大なタイプ」の人の見分け方について、特徴をまじえて説明します。
①正義感が強い
「公明正大」な人の共通点の一つに、「正義感が強い」ことがあげられます。「公明正大」に「私情にとらわれず、不正や隠しごとがない」という意味があることを考えると、納得がいきます。 正義感が強い人は不正に敏感で、それを見過ごすことができません。そのため正々堂々と説明や議論を求め、感情的になることもあります。 「公明正大」な人といわれるには、正義感の強さに加えて寛容さも必要といえそうです。
②道徳心が強い
「公明正大」な人は、「道徳心が強い」傾向があるようです。その場合、他者にというより自分に対して道徳的であろうとします。つまり、自分が決めたルールを守り続けるのです。 「公明正大」な人は他者に厳しいものですが、それ以上に自分を厳しく律します。自らがやるべきことをやっているから、目上の人であっても不正を正すことができるタイプです。冷静に状況を見きわめ意思が強くあり続ける根底に、道徳心が流れていると考えられます。
③使命感にあふれる
「公明正大」な人には、「使命感にあふれる」ことも共通しています。組織の中でリーダーといわれる人に、このタイプが多いです。 リーダーと聞くと積極的に発言し、周囲を巻き込んでいく人を想像するかもしれません。しかし実際に組織を動かすのは、不正や理不尽な出来事に対して心を痛め人を思う人です。使命感にあふれた人は、そうした状況を打破するために立ち上がります。 そういう意味では、他者に対して誠実な人も「公明正大」な人といえるのかもしれません。
まとめ
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ビジネスシーンでも使用することがある「公明正大」の意味や使い方、類語とタイプについても説明してきましたが理解できましたか。 「公明正大」は座右の銘や書き初めにも用いられ、類語も多い四字熟語です。しかし「公明正大」であり続けるのは、簡単なことではありません。類語も含めて正しく意味を理解したうえで、適切に「公明正大」を使うことを心掛けてください。
