コアコンピタンスの意味・定義・事例など解説します!

コアコンピタンスとは

(画像:Unsplash

現代ビジネスにおいて、独自の強みを持たない企業や製品はコモディティ化によって価格競争に陥ってしまいます。つまり、価格以外に決定的な強みを持つ必要があるのです。 まずは企業の強みとしてのコアコンピタンスとはどういうことなのか、よく似た言葉のケイパビリティとの比較もまじえて解説します。

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コアコンピタンスの意味は「ある企業独自の強み」

コアコンピタンスとは「顧客に対して他社にはまねのできない自社ならではの価値を提供する企業の中核的な力」、つまり「自社独自の強み」のことです。1990年ゲイリー・ハメル氏とC・K・プラハラード氏によって発表された論文の中で定義されました。 技術や製造ノウハウに限定される場合もありますが、一般的にはマーケティング力やブランド力なども含んだ企業のバリューチェーン全般の広い概念として使われています。

 

コアコンピタンスとケイパビリティの違い

ケイパビリティはコアコンピタンスから少し遅れて登場した言葉ですが、現在では両者は「企業の強み」という意味でほとんど同じ使われ方をしています。 ニュアンスの違いとしては、コアコンピタンスが技術やノウハウなど企業の核となる「点」的な強みを指すのに対して、ケイパビリティは企業における組織としての総合的な強みを指します。例えば、商品の特徴はコアコンピタンス、販売網の強さはケイパビリティ、と言うことができます。

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コアコンピタンスは英語でcore competence

コアコンピタンスは英語で「core competence」と表記します。「core」が「中心」、「competence」が「能力」という意味です。 「competence」は「競争する」という意味の動詞「compete」に由来し、「競争に勝つことができる『能力』」というニュアンスがあります。そのため、コアコンピタンスという言葉が「自社独自の」といった競争力の高さを意味合いとして含んでいます。

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コアコンピタンスの定義

(画像:Unsplash

コアコンピタンスが自社の強みであることは分かりました。では、具体的にコアコンピタンスとはどのような企業としての能力を指すのでしょうか。 コアコンピタンスの考え方を提起したゲイリー・ハメル氏とC・K・プラハラード氏によれば、コアコンピタンスは以下の3つの定義で確立されているということです。

定義1:顧客に新たな価値をもたらすものであること

定義の1つ目は「顧客に新たな価値をもたらすものであること」です。価値は利益や満足と言い換えても構いません。 素晴らしい技術や商品が自己満足的なものではなく、その技術や商品がコアコンピタンスであるためには顧客の満足に繋がる必要があります。 顧客に受け入れられない技術や商品はいずれ淘汰されてしまいます。自社の強みを磨き、育成するにあたっては常に顧客目線を忘れてはいけません。

 

定義2:他社に真似されにくいものであること

定義の2つ目は「他社に真似されにくいもの」であることです。 魅力的な技術や商品であればあるほど必ず競合他社が出現します。自社の強みを簡単に真似されてしまうとビジネスが成立しません。 容易に真似されない強みを得るには、特定の技術などへの集中投資と時間が必要です。同時に、急速に変化する顧客ニーズやマーケットの変化に臨機応変に対応出来ないというリスクを生むことにも注意をしなければなりません。

定義3:応用可能性(汎用性)が高いこと

3つ目の定義は「応用可能性(汎用性)が高いこと」です。 たった1つの製品にしか適用出来ない技術だと、競合が現れてしまうとその商品の寿命は終わってしまいます。 つまり、コアコンピタンスは複数の要素で構成する必要があります。そうすると、様々なものに自社の強みを応用することができ、競争力のある商品やサービスを新しく生み出し続けることが可能となります。