助長(じょちょう)の冗長との違いや類語との違い・英語表記なども紹介します。

助長とは

(画像:Unsplash

「助長」という言葉は、「助長する」や「○○助長」など私たちの生活のさまざまな場面で耳にします。今回はこの「助長」に関する解説を行います。 この「助長」は、意外な所から言葉の由来が来ています。よく使われる言葉だからこそそうした由来なども丁寧に理解したいものです。序盤は「助長」の意味や由来を解説します。

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助長の読み方は「じょちょう」

「助長」の読みは「じょちょう」です。「助」「長」の二文字とも音読みしています。 この熟語の構成は、下の「長」という字が上の「助」という字の目的語や補語になる形です。「長」のために「助」をする、というものです。 後述しますがこの言葉は中国から来たものであることからも音読みである為、「じょなが」などとは読みません。

 

助長の意味①「成長や発達に力を貸すこと」

「助長」の1つめの意味を解説します。さまざまなものや事柄に対して、現時点よりも成長するように、またはより発達、発展するように力を貸すことを指します。 また、成長と言うとポジティブなイメージがありますが、ネガティブな事柄に力を貸したり、手助けをしたりすることも指します。例えば「犯行を助長した」などの意味でも使われます。 つまり手助けの対象は人だけではなく、動物や生物、能力、事実、事態など善悪問わず全てのものです。

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助長の意味②「不要な助力により害を与えてしまうこと」

「助長」の2つめの意味を解説します。これも1つめと同じでさまざまなものや事柄に対するものです。少しネガティブなイメージがある表現になります。 意味として異なるのは、放っておけば自然と良い方へ成長していくのに、必要のない手助けをすることでかえって害を与えてしまうことを意味する点です。 急がば回れの対義語のようなもので、焦って良い結果を求めて力を貸すことにより、思わぬ結果を招いてしまうということです。

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助長と冗長・増長の違い

「助長」と似た読みをする「冗長」と「増長」ですが、手助けをする「助長」とは意味が大きく異なります。 「冗長」は「じょうちょう」と読みます。「冗」は「無駄」や「余分」という意味で、「長」と合わせて「長たらしく、無駄なものやそのようす」を表します。 「増長」は「ぞうちょう」と読み、「どんどん増えていくこと」という意味です。しかしあまり良い意味では使われず、態度が大きくなることやつけあがることを意味します。

助長の由来は「故事」

孟子の著書「故事」の中に宋の国の話で「抜苗助長」というものがあります。畑の苗があまり成長しないことを心配した人が苗を伸ばそうと引っ張り、かえって苗がダメになってしまう話です。 この原文に「予助苗長矣」などの文があり、この「助」と「長」の二文字から「助長」という言葉になりました。 孟子の「故事」を知ってはいるけど読んだことがないという人は、これを機に一度読んでみると「助長」の理解を深められるかもしれません。

 

助長の類義語は「育成・促進・加担・助成・振興」

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「助長」の正しい意味や由来について解説しましたが、この「助長」には似た意味を持つ言葉がいくつかあります。 「助長」の類義語は、「育成」「促進」「加担」「助成」「振興」という言葉たちです。それぞれの言葉は日常生活で頻繁に耳にする言葉です。 これらひとつひとつの意味と「助長」との違いについて詳しく解説していきます。

助長と育成の違い

1つめは「育成」です。「いくせい」と読み、「育」と「成」という漢字のまま「成長させる」、「りっぱになるように育てる」という意味があります。 「助長」と異なる点は、「助長」は「手助けをする」意味が強いのに対して「育成」は作物や人材などを「生み出す」や、心などを「育てる」という意味もあります。 使い方としては、「後継者を育成する」や「新人の育成期間」や「礼儀正しい心を育成する」などの表現で使用します。