伊藤忠がほけんの窓口を子会社化。株式の57.7%を取得。│ビズキャリonline　仕事と生活

伊藤忠商事がほけんの窓口を子会社化

ニュースの要点

非資源部門の利益を上げたい伊藤忠商事
ほけんの窓口は情報分析力を充実したい
資本提携やM＆Aが生き残るためのキーワード

株式57.7%を取得

伊藤忠商事は2014年から「ほけんの窓口グループ」の筆頭株主でしたが、今回の買増しで発行済み株式数の57.7%を保有したことになります。そこには、コンビニなどを手掛ける食料や住生活などの非資源事業が企業業績をけん引していることに関係します。ほけんの窓口へ深く関与することが、将来の布石になると考えたからです。

累計出資額は165億円

伊藤忠の「ほけんの窓口グループ」への累積出資額は165億円に上ります。伊藤忠のような上場企業は、子会社への出資に対して予想される利益を株主に説明する責任があります。外国人の株主が増えたことで、出資金（今回は165億円）が1年間に幾らの利益を生み出すのかを算出するROE（自己資本利益率）という指標が、最近は重視されています。

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子会社化による目的は

伊藤忠商事には、穀物、石油、鉄鉱石などの商品市況の影響を受けやすい商社の古い体質を見直して、安定的な収益を確保する新たな戦略が必要となっています。その鍵になるのが、傘下のファミリーマートです。顧客から足を運んでもらう「ほけんの窓口」のビジネスモデルは、同様に来店型のファミリーマートとの相性が良いからです。

伊藤忠は収益の増加を目的か

ほけんの窓口には、最近だけでも南都銀行、名古屋銀行、静岡銀行、群馬銀行との業務提携や共同店舗開設のニュースがあります。そこにファミリーマートの買い物客の情報が加わります。集まった情報を分析することは、総合商社である伊藤忠商事の得意分野です。日用雑貨、食料品、保険など消費者の必要とするモノを提供することが利益に繋がります。

ほけんの窓口は伊藤忠のリソース活用

ほけんの窓口は全国に740以上の店舗を持ち、無理な勧誘をせずに、顧客のニーズにあった商品を提供することで成功しました。そして、更なる成長を続けるには、保険の検索システムに伊藤忠商事のもつデジタル技術を利用したり、新規店舗の立ち上げ時に必要な資金を伊藤忠商事に要請したいとの思惑があります。

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まとめ

（画像：Unsplash）

伊藤忠商事が目指すのは、顧客の立場に立って商品を提供するマーケットイン型ビジネスです。それを可能にするには、既存の会社を買収したり資本提携することが、一番の早道です。伊藤忠商事とほけんの窓口の両者がメリットを享受する「ウイン・ウイン」の関係が成り立つためには、情報力と分析力そして顧客が本当に必要だと考えるサービスを提供し続ける事です。