ハウステンボスが派遣従業員の契約を打ち切りに
1分でわかるニュースの要点
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ハウステンボスが数十名の派遣従業員の契約を解除
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運営会社のHISは創業以来初の大赤字を想定
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不況を乗り切るために観光業は人員削減を行う可能性も
数十名を派遣切り
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的で、ハウステンボスは2月29日から3月15日まで全面休業しました。16日以降に再開しましたが、営業していたのは屋外施設などの一部のみです。 業務が悪化されると予想されたため、同日にハウステンボスは派遣会社へ契約解除を申し入れました。その結果、約40名の派遣社員のうち半数が派遣切りになりました。
新型コロナウイルスの影響で見通しが立たず
ハウステンボスの発表によると、3月16日から月末までの入場者数は前年同期比で70%減少しています。その背景には、新型コロナウイルスの感染拡大により、自粛ムードが高まっていることにあります。 現在も国内での感染者は増加し続け、国から不要不急の自粛を控えるよう呼びかけられています。したがって、今後の入場者数や売り上げの見通しは立っていません。
運営会社のHISは今期赤字転落
ハウステンボスを運営する株式会社エイチ・アイ・エス(HIS)は、新型コロナウイルスの影響を受け、2020年10月期通期の純利益、売上高、営業利益などの予想を下方修正しました。 最終的な純利益は当初の予想を大きく下回り、赤字に転落しました。
11億円の赤字を想定
HISは、2020年10月期の連結最終損益を11億円の赤字になると想定しました。HISが赤字に転落するのは2002年の創業以来初です。 また、10月期の連結業績予想は、売上高が前期と比べて4%減の7750億円であり、営業利益は90%減の17億円との見通しを立てました。HISは新型コロナウイルスの影響が7月まで続くと仮定しています。
新型コロナウイルスの影響を受けた形
新型コロナウイルスがHISに与えた影響はハウステンボスに限らず、旅行やホテルなどの事業にも及びます。国内の利用者だけではなく、訪日外国人による需要も減少中です。 また、3月31日に政府は感染拡大を防止するために、新たに世界73カ国の外国人の入国拒否を決定しました。観光業は、様々な形でウイルスの影響を受けています。
観光業はコロナショックをどう乗り切るか?
新型コロナウイルスによる経済的打撃は「コロナショック」と呼ばれています。観光業はコロナショックのダメージを最も受けている業界の1つです。 各企業はコロナショックを乗り切るために、対策を考えなくてはなりません。
大規模な人員削減を行う可能性
コロナショックを受けるのは、HISだけではありません。人々が移動を自粛している今、影響があるのは観光業全体です。 この事態を乗り切るために、各企業は大規模な人員削減を行う可能性が考えられます。ハウステンボスが派遣切りを行ったのと同様、削減対象になり得るのは非正規雇用者です。それでも乗り切れない場合は、正社員を対象とした早期退職などの施策を取る企業が出てくると考えられます。