貪欲と「強欲」「欲張り」との違いやことわざ・例文など解説します！

「貪欲」には「強欲」という類語があり、どちらも「欲が深い」という意味を持っています。しかし、その意味や用途には明確な違いがあります。 「貪欲」には「欲しいものをどんなに手に入れても満足できない」というニュアンスが感じられます。そのため「貪欲」は、「金銭」や「物品」「知識」を対象に使われます。そして、否定的にも肯定的にも使われるという特徴を持ちます。 一方の「強欲」には、「自分にないものを欲しがる」「欲しいものを手に入れても満足できない」という意味があります。根底に自己中心的な感情があり、肯定的なニュアンスで使われることはありません。

「欲張り」も「貪欲」の類語で、「欲が深い」ことを表しています。とはいえ「貪欲」と「欲張り」を比較すると、欲に対する度合いに違いがあることがわかります。 「貪欲」は、「欲しいものを我がものにしよう」という気持ちが非常に強い場合に使います。そのため「知識を貪欲に吸収している」というように、肯定的なニュアンスで使われることもあります。 しかし「欲張り」は、欲の度合いがもう少し浅い時に使われます。「いただきもののお菓子を多めに欲しがるなんて欲張りな人」というように、人や態度を表す言葉としても使用します。良くは思われないものの、嫌悪される程度ではないというニュアンスで使われることが多いです。

「貪欲」の対義語は複数あります。またビジネスシーンでは「貪欲」を英語で表現したり、四字熟語やことわざを使って表現することも少なくありません。 ここでは「貪欲」の対義語や英語表現、四字熟語とことわざについて詳述します。「貪欲」の使い方を覚えることで、表現力をアップさせてください。

「貪欲」の対義語は複数ありますが、ここでは「貧欲」について説明します。「貧欲」は「ひんよく」と読み、「ものをあまり欲しがらない」「控えめに生きる人」という意味で使われます。 「貪欲」の対義語として「無欲」が紹介されることが多いのですが、その場合は「欲がない」という意味になります。そのため「欲が薄い」という意味で「貧」を使った「貧欲」を使うことがあるようです。 ただし、「国語表現という観点で考えると『貧欲』は正しい日本語とはいえない」という指摘もあります。使い方には配慮が必要です。