アパレル・オンワードが約700店舗を閉店へ
1分でわかるニュースの要点
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オンワードが700店舗を閉店
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2020年決算で30億円の赤字
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店舗を閉店しECサイト強化へ
新型コロナウイルスの影響で客足が遠のくオンワード
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、7つの都府県に緊急事態宣言が発令され、営業を自粛する店舗が増えています。 オンワードが販売する店舗は休業を要請する施設リストには含まれていませんが、外出自粛の措置が取られているため、客足が遠のいたこと、そしてネット通販の拡大も売上減少の要因のひとつになっています。
2020年2月期の決算で30億円の赤字
オンワードが700もの店舗閉鎖を決断したのは、販売不振によるものです。 2020年2月の決算では売上高が2482億円で前年比に対して3%増だったものの、消費税の増税や災害などの影響から販売が低迷し、営業利益は30億の赤字となりました。今後は採算が取れない店舗を閉鎖しネットでの販売を強化する見込みです。
EC事業は好調のオンワード
オンワードでは直営のECサイトを運営しておりEC事業の売上は255億円と好調です。公式アプリは43.5万ダウンロードを達成し、売上255億円に対して前年比30.6%増を記録しました。また、アプリを経由した売上は14.7億円という高い結果を残しています。 オンワードでは実店舗を閉鎖しますが、EC事業を継続しネット通販事業を強化していく方針です。
売り上げが前年比約30%増加
EC事業では国内の売上が238億円、海外の売上が16億円、EC全体の売上は255億円となりました。 国内の売上高は前年比31.4%増、海外の売上高は18.7%増と高い結果を残し、国内と海外を合わせた全体の売上の前年比は30.6%増となっています。実店舗の閉鎖を決断しましたが、EC事業の実績を元にシフトチェンジを行っていきます。
今後はECへの注力も強める見込み
オンワードのECサイトでは、ネット通販を利用するために登録するオンワードメンバーズ会員が、18.3%増え313万人を達成しました。 前年を超える登録数を見てもEC事業が可能性が期待できます。オンワードでは、紳士服や婦人服、そして多くのブランドを保有していますが、一括で管理でき利用者に対しても利便性が高いことから、今後EC事業を強化していきます。
苦境を迎えるアパレル企業の活路はECなのか
アパレル企業は消費の低迷が売上を大きく左右してしまいます。2020年は、新型コロナウィルスの感染防止のため、外出自粛要請という大きな局面を迎えました。 店舗展開するアパレル企業の中には、オンワードのように閉鎖を決断する動きもあります。アパレル企業が生き残る道はEC事業にあるのでしょうか。
暖冬と新型コロナウイルスの影響で苦戦を強いられるアパレル業界
2019年から2020年にかけて、アパレル業界は自然災害による影響を受けてきました。 2019年の冬は暖冬傾向でニットやコートの秋冬商戦が冷え込み、消費が低迷しました。さらに2020年に入ってからは新型コロナウィルスの影響により外出自粛が余儀なくされ、アパレル企業は多くの苦戦を強いられています。