青山商事が203億の赤字に修正。紳士服大手4社への新型コロナウイルスの影響は?

 

洋服の青山の青山商事が203億円の赤字に業績修正

青山商事が赤字に下方修正

  • 式典中止が相次ぎ3月のスーツウェアの売上が減少
  • 203億円赤字は子会社の撤退や減損減益が影響
  • 紳士服メーカー各社も苦しい経営が続く

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青山商事の業績悪化原因

青山商事の主力事業であるビジネスウェア部門の売上が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3月の繁忙期に卒業式などの式典が中止となり売り上げが大きく落ち込みました。また、連結子会社のカジュアルウェアブランド「アメリカイーグル」の撤退も業績悪化に繋がりました。

 

入学式、卒業式の相次ぐ中止

繁忙期の3月に新型コロナウイルス感染拡大の影響で入学式や卒業式の中止が相次いぎ、ビジネスウェア事業の売上が激減しました。 同期は消費税増税や暖冬による冬物の売上が伸びなやんでいたこともあり、式典の中止はこれに拍車をかける形となりました。 2019年10月から2020年3月までの下期売上推移速報では、全店舗が前年比81.5%、既存店が81.3%と大きく売り上げを落としています。

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アメリカンイーグルの撤退に伴う損失に追い討ち

若者に人気のカジュアルウェアブランドAmerican Eagle Outfitters,Inc(アメリカンイーグル)とのフランチャイズ契約を昨年12月31日で終了し、1月24日付けで同社を解散させました。 アメリカンイーグルの撤退に伴って店舗の解約にかかる経費が重なり、同期の損失に追い討ちをかけました。事業損失は第2四半期に計上した分と合わせて84億87百万円となっています。 また、靴などのリペアサービスを提供する子会社の「ミスターミニッツ」の減損損失40億円を計上したことも影響しました。

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ビジネスウェア市場のさらなる萎縮が懸念される

ビジネスウェア市場はさらなる萎縮が懸念されており、特にベンチャー企業やスタートアップ企業などではカジュアルウェア化が進んでいます。 ビジネススーツの需要が減っていく中で、業界ではビジネスウェア事業を主力セグメントにする事業形態が限界を迎えているとも言われています。 2020年3月期下期では、4月∼9月まではスーツの売り上げは堅調だったとしていますが、売上推移速報では、全店上期の売上は前年同期比94.7%、下期が81.5%と苦戦しています。

AOKI、コナカ、はるやまの業績

AOKI、コナカ、はるやまも厳しい業績が続いており、スーツ離れが進む中では手頃な価格帯だけでなく、より付加価値の高い商品の開発が求められています。 AOKIはパーソナルオーダースーツを提供する店舗の全国展開を始めており、コナカもスマホでカスタマイズスーツが注文できるサービスを始め好評です。はるやまは「HAL SUIT」のブランドでオーダースーツの提供をはじめ販売数を伸ばしています。 しかし、既にスーツは手頃なものというイメージが定着しており、各社の苦戦はしばらく続くと見られています。