「愛想が尽きる」読み方と意味
『愛想が尽きる』という言葉があります。見たり聞いたり、実際に口に出して使ったこともある人も多いとは思いますが、この慣用句の意味を正しく理解できているでしょうか？ 本記事では『愛想が尽きる』という言葉の、読み方と意味について解説していきます。
「愛想が尽きる」の読み方は「あいそがつきる」
『愛想が尽きる』は「あいそがつきる」と読みます。 「あいそ」とは「あいそう」から転じた読み方です。この「あいそう」とは、人付き合いがうまくて、あしらいかたも上手なことを指します。また、相手への思いやりや、好意を現す場合もあります。
「愛想が尽きる」の意味は「好意、愛情、信頼、尊敬が失われる」
『愛想が尽きる』とは、特定のだれかへの好意や愛情、信頼や尊敬がすっかりなくなってしまった状態を指します。 〝尽きる〟イコール〝ゼロになる〟ですから、相手に対する情が少しでも残っていたりする場合には『愛想が尽きる』とは言いません。
「愛想が尽きる」の使い方と例文
本項では『愛想が尽きる』の使い方を例文を交えて紹介します。
「愛想が尽きる」は基本的に日常的な会話で使用
『愛想が尽きる』は日常的な会話の中で使うことが可能です。 言葉の由来が故事成語などではなく、小難しい漢字なども含まれていない慣用句なので、意味も伝わりやすいでしょう。 「愛想も小想も尽き果てる」ということわざも存在しますが、基本的には『愛想が尽きる』だけで大丈夫です。 このことわざで使われている「小想」は、語調を強めて整えるためにあえて入れられている語句なので、ことわざのようにまるまる「愛想も小想も尽き果てる」と使う人は少ないです。
「愛想が尽きる」の例文
『愛想が尽きる』を使った例文としては、以下のようなものがあります。 ・彼のわがままには愛想が尽きてしまった ・妻に愛想を尽かされて出ていかれた 1は、「私」の「彼」に対する愛想が尽きてしまったパターンです。逆に2は「妻」が「私」への愛想が尽きてしまったパターン。 いずれにせよ『愛想が尽きた』というシチュエーションは、どこか物悲しいものがありますね。
「愛想が尽きる」の類語、対義語
『愛想が尽きる』には、類語や対義語も存在しています。どういった言葉があるのか見ていきましょう。
「愛想が尽きる」の類語は「見限る」「見放す」
■見限る 『愛想が尽きる』の類語として、『見限る』が挙げられます。『見限る』とは、特定の個人や事柄に対して、もう見込みがないとあきらめることです。例文としては…… ・業績が悪い今の会社を見限って転職した という風に使います。何かに対して執着を無くす状態が『見限る』ですから、とても似た言葉ですね。 ■見放す もう一つ挙げるとするならば『見放す』が似た言葉として挙げられます。この『見放す』も特定の個人や事柄に対して、もうだめだと見切りをつけ、関わることをやめる状態を表しています。さじを投げる、と言い換えることも可能です。 ・医者に見放される という文章を、見たり聞いたりしたことがある人も多いのではないでしょうか？ この２つの言葉は『愛想が尽きる』にとてもよく似た言葉です。しかし、『愛想が尽きる』とは違って、対象への好意や愛情がなくても「見限ったり」「見放したり」することがはできてしまいます。 『愛想が尽きる』は、もともとそれなりの好意や愛情がある対象へ向けた言葉である点に注意が必要です。あいそが無かった相手に対して、『愛想が尽きる』は使いません。
