全日空が1000億円の調達を検討か
1分でわかるニュースの要点
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例年の資金調達500億円に追加資金500億円検討か
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感染拡大で一時運休・減便が続く
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各国の入国規制で収益悪化、資金不足による破綻の危機
新型コロナウイルスへの対応として
ANAホールディングス(ANA)は新型コロナウイルス感染拡大の影響による業績の悪化に備え、主要取引先である3メガバンクと日本政策投資銀行などから1000億円の資金を調達する模様です。 航空業界各社は感染拡大により深刻な業績悪化に陥っており、今月5日には英国フライビーが破産申請しておりANAも旅客便を大幅に減らすなど業績悪化が懸念されています。
業績悪化は避けられず
ANAは毎年6月に約500億円を主要銀行から調達し事業費に充てていましたが、感染拡大による業績悪化は避けられないと判断し前倒しによる調達に加え新たに約500億円の資金調達を行う模様です。 ANAによると今夏ダイヤにおける4月24日までの国際線の減便は当初計画の8割減となり、同28日までの国内線も約2割が減便となっています。この状況はしばらく続くと見られ4月の国際線の予約はおよそ8割減、国内線は半減しています。
苦境に立たされる航空業界
新型コロナウイルス感染拡大の影響で苦境に立たされているのはANAだけではなく、日本航空(JAL)も資金不足に苦しんでいます。また、経営破綻から立ち直りを見せていたスカイマークも再上場を見送る方針で日本の航空会社は一時運休や減便によって乗客減が続いており、先行きの見えない苦しい経営が続いています。
日本航空も融資を求める
日本航空(JAL)も新型コロナウイルス感染拡大の影響で業績悪化が見込まれ、今月13日に社債200億円を発行募集し広く融資を求めており感染拡大の長期化に備える模様です。 JALによると今夏のダイヤを大幅に減らし今月29日から4月30日の国際線の一部を一時運休、減便するとしています。減便数は計3,658便で運航率は29%に留まっています。
スカイマークは再上場を見送り
2015年に民事再生法の適用を申請して経営破綻したスカイマークは、昨年10月に東京証券取引所に再上場を申請していましたが、航空業界全体の業績が悪化していることから上場を延期すると発表しました。 同社も減便により乗客数が伸びず業績が悪化しており、今後も回復する目途が立っていないことから上場を見送ることにした模様です。
航空業界に対する最悪のシナリオ
航空業界の業績悪化は世界規模で起きており国際航空運送協会(IATA)は今月5日、世界の航空会社を合わせた損失額が最大で1130億ドルになると予想しています。航空会社の中には事実上経営破綻しているところもあるといわれ、経営難に苦しむ航空会社は更に増えるだろうとしています。
前例なき各国の入国規制
世界各国で入国制限が始まっており日本でも今月9日に中国、韓国の入国を制限しています。こうした動きは米国や欧州でも起きており、米国は中国と欧州からの入国を制限しています。 また、欧州連合(EU)も域外の外国人の入国を原則禁止する対策を講じています。日本からの入国を制限する国も増えており、今月21日現在で計149の国と地域に達しています。