ユニゾTOBでEBOの買い付け価格を5,700円に
ユニゾTOBでチトセア投資が価格引き上げ
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ブラックストーンがTOB価格を5,700円に引上げ
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高値更新を続けるユニゾの株価
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終わりが見えないユニゾTOB
元々は1株5,100円でのTOBを目指していた
ユニゾHDは同社のウェブサイトで、同社従業員と米ファンドのローンスターが設立したチトセア投資が提示した普通株式1株あたり5,100円でのTOB(EBO=エンプロイーバイアウト)を目指していました。 しかし、ブラックストーンが1月29日に買い付け価格を5,600円まで引き上げたため、ユニゾHDは同社の基本方針に沿って真摯に協議を行う意向を示していました。 これに対しチトセア投資は今月9日、買い付け価格を5,700円に引き上げると発表しました。
ブラックストーンがTOB価格を1株5,600円に設定
ブラックストーンは今年1月28日、ユニゾHDの同意を条件にTOB価格を1株5,600円に設定すると発表しました。 これはチトセア投資の提示価格より500円引き上げた結果となり、10%のプレミアムとなります。ブラックストーンは、本件TOBによる重大な悪影響はないとし、ユニゾHDの取締役会の再構成に必要な株主総会を速やかに実施することを求めています。 一方、ユニゾHD側はチトセア投資の買い付けに賛同する意向を示しており、取締役においても応募を推奨する旨を決議したと発表しました。
フォートレスは1株5,200円のTOB価格
フォートレス(サッポロ合同会社)は1月29日に、普通株式1株の価格を5,200円に引き上げ、ユニゾHDに対するTOBを継続する旨を発表しています。 フォートレスのユニゾHDの買収目的は、同社の解体を視野に入れていることは明らかで、従業員の保護、並びに企業価値の維持・向上を図れないとして反対の意向を示しています。 ユニゾHDは昨年の9月以降もフォートレスとは真摯に協議を続けてきましたが、フォートレスが有効な協議に応じないことから、同社とのTOBに反対する意向を取締役会より決議したと発表しました。
高値を更新するユニゾ株
ユニゾHDの株価はチトセア投資の株価引き上げの報道を受けて急伸し、高値を更新する勢いで推移しています。 1月28日の5,190円から2月7日に5,570円まで値を上げ、2月10日には5,750円で引けています。これは1月28日にブラックストーンが、TOB価格を5,600円に引き上げると発表した翌日の株価5,530円よりも240円のプレミアムがついた価格となります。
TOB前のユニゾ株は1株2,000円前後
ユニゾHDの株価は、昨年7月にH.I.Sが同社のTOB開始を発表するまで2,000円前後を推移しており、市場関係者も同社の企業価値は3,500円前後が妥当と見ていました。 しかし、フォートレスが参入を決めた8月には4,300円前後を、更にブラックストーンがTOBを提案していることが明らかになった昨年12月21日には、株価は4,800円まで急伸していました。
TOB価格の値上がりと共に高値をつけるユニゾ株
ユニゾHDの株価はTOB価格の値上がりと共に高値を更新し、2月10日の5,750円まで上昇しています。この価格は前日に比べ180円のプレミアムであり、+3.23%の上げ幅となっています。 ユニゾHDの株価は一時5,790円まで上昇し、5,800円を伺う勢いを見せています。チトセア投資の5,700円に対して、市場ではブラックストーンがどんな動きを見せるかに注目が集まっています。
見えぬ結末。ユニゾTOBの決着はまだ先か?
ブラックストーンとフォートレスがここまでユニゾHDに拘る理由には、両社が日本における不動産投資のプラットフォームを構築したいという背景があります。 日本は低金利が続いており、日本国内の不動産投資は非常に魅力的です。ユニゾHD側もそのことは十分に理解しており、TOB後に同社が実質的に解体されることを懸念しています。 ユニゾHDはH.I.SのTOB提案から一貫して現状の事業形態の維持と、従業員の保護を賛同の条件しており、TOB価格の引き上げだけでは同社の賛同を得るのは難しいといえるでしょう。