和洋折衷(わようせっちゅう)と「和魂漢才」「和魂洋才」との違いや意味・例文など解説します!

 

和洋折衷(わようせっちゅう)とは

(画像:Unsplash

「和洋折衷」は、ウェディングプランなどで頻出する四字熟語です。何となくニュアンスはわかるものの、「和洋折衷」の意味や使い方を的確に説明できるかと問われたら首を傾げる人も多いことでしょう。 ここでは「和洋折衷」の読み方と使い方、その語源について説明することから始めます。

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和洋折衷の読み方は「わようせっちゅう」

「和洋折衷」は、「和」「洋」「折」「衷」という4つの文字が使われています。そして、「和洋」と「折衷」という2つの熟語で成り立っています。さらに2つの熟語は共に音読みします。 音読みでは「和」は「わ」「お」と読みます。「洋」は「よう」です。「折」は「せつ」、「衷」は「ちゅう」となります。そのすべてを合わせた「和洋折衷」は、「わようせっちゅう」と読みます。

 

和洋折衷の意味は「和風と西洋風を程よく取り入れまとめる事」

「和洋折衷」は「和洋」と「折衷」という2つの熟語で成り立っていることは前述しました。「和洋」には「和風と西洋風」、「折衷」には「複数のものを1つにまとめる」という意味があります。 つまり「和洋折衷」は、「和風と西洋風を程よく取り入れまとめる」ことを意味しています。「和洋折衷」は住宅やインテリア・店・服装など、使われるシーンは多岐にわたります。

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和洋折衷の語源

「和洋折衷」は、江戸末期から明治初期にかけて生まれた四字熟語とされています。幕末に活躍した朱子学者・斎藤拙堂です。藩政改革や洋式軍制を導入した斎藤拙堂が、日本風・中国風・西洋風を織り交ぜながらよいものをつくるという意味で「和漢洋」を提唱したのが始まりです。 さらに明治維新以降、西欧の文化が大量に日本に流入しました。その後に建てられた住宅は生活する場所は日本古来の伝統的様式で、他者を通す応接間などは洋風で造る富裕層が増えたのです。それが高じて「和洋折衷」という言葉が生まれました。

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和洋折衷の類語

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「和洋折衷」の類語としてあげられるものに、「和魂洋才」と「和魂漢才」があります。「和洋折衷」と比べると、見聞きする機会が少ない四字熟語でしょう。 ここでは「和魂洋才」と「和魂漢才」について、例文も交えながら「和洋折衷」との違いを解説します。

和洋折衷と和魂洋才の違い

「和洋折衷」には、「日本と西洋それぞれの要素を合わせ持つ」という意味があります。しかし「和魂洋才(わこんようさい)」は「日本が持つ良さを残しつつ、そこに西洋の優れた部分を加え融合させ相乗効果でより良いものにする」ことを指します。 ・グローバル社会がより加速する現代、多様な分野や技術に関して学びながらも和魂洋才でオリジナルの日本製品を生み出す必要があります。 例文でもわかるように「日本古来のよき精神は残しつつ、西洋が優っている部分は素直に取り入れてより優れたものを生み出そう」という意欲を感じます。

 

和洋折衷と和魂漢才の違い

「和洋折衷」は和風と洋風の融合を意味しますが、「和魂漢才(わこんかんさい)」では和風と中国風を指します。つまり「和魂漢才」は「日本古来の良き精神を残しつつ、中国から伝来した漢学を学ぼう」という意味です。 ・中国の意挙を日本人が伝えた太極拳は、和魂漢才の一例としてあげられます。 「和魂漢才」にも「日本の良いところは残しつつ中国からも学び、より良いものを目指す」という意味が含まれます。

和洋折衷の英語は「blending of Japanese and Western styles」「Compromise between East and West」

「和洋折衷」を英訳すると以下のようになります。 ・We built houses blending of Japanese and Western styles. (私たちは和洋折衷の住宅を建てました。) ・Party food to the atmosphere of compromise between East and West. (パーティーの料理は和洋折衷にしてください。) 「和洋折衷」の直訳は「blending of Japanese and Western styles」ですが、英文では「Compromise between East and West」が一般的です。これは欧米人の認識が「和風と西洋風」ではなく「東洋風と西洋風」だからです。