ワークライフバランスの理想と現実。企業の取り組みの実例や私達が意識すべきこととは?

 

1分でわかるワークライフバランス

ワークライフバランスは仕事と私生活の両立

  • 仕事か私生活のどちらかではない
  • 理想のワークライフバランスは人生を豊かにする
  • 日本が抱える両立への課題も多い
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ワークライフバランスとは仕事と私生活の両立

内閣府や厚生労働省が定義するワークライフバランスの意味は、「仕事と生活の調和」です。 ワークライフバランスが取れた社会とは、やりがいと充実感を持って働きながらも、労働者の「健康的な生活」「プライベートの時間」「性や年齢に関係ない生き方の選択」が保障されている状態を指します。 解釈は諸説ありますが、「仕事にやりがいがあるからプライベートも充実する」「私生活が楽しいからだから仕事に打ち込める」、こうした仕事と私生活の両立による相乗効果が基本的な考え方です。

ワークライフバランスが保たれた理想の世界

「ワークライフバランスが保たれた状態が理想」とは言いつつも、具体的にはどのような環境をそう呼ぶのでしょうか。ワークライフバランスは、雇用の確保・過労・プライベートの3つの観点で考えるのが一般的です。

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人々が仕事を得て働くことができる

いわゆる「ライフ」の部分が取り上げられがちですが、まず「一人ひとりが仕事を得て、経済的自立と生活基盤を得ている」ことが、ワークライフバランスを成す根幹の1つです。年齢や性に左右されず、自由かつ多様な仕事を選べ、やりがいを持って働けることこそが大前提となります。 また、育休や介護休暇が気軽に取れる等、個々人に応じた柔軟かつ公正な働き方・生き方を選べることも重要です。 就労し安定した収入を得ることが、将来のキャリア形成や結婚・子育てにかかわるライフプランの実現につながる、これが「ワーク」の部分の考え方となります。

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過労で疲弊する人々がいなくなる

長過ぎる労働時間や無謀な業務量によって、毎日疲弊していまう人がいなくなることも、理想のワークライフバランスの条件の1つです。 日々の疲れのせいで「趣味や家族との時間すらしんどい」「仕事に行くことすら嫌になる」、このような状況は調和が取れているとは言えません。 仕事に時間を割きすぎず、睡眠や休息、好きな人達との交流に充てられる環境を整えることが、ワークライフバランスの大切な考え方になるでしょう。

私生活や文化的に過ごす時間を持てる

家族や恋人との時間、映画鑑賞やスポーツなどのプライベートが確保できることも、理想のワークライフバランスの条件の1つです。そこには資格勉強や創作活動など、自己実現・自己啓発の時間も含まれます。 本来は私生活が充実してこそ、仕事にもメリハリが付き生産効率が上がります。ワークライフバランスの「ライフ」と「ワーク」の関係性こそ、生活と仕事の調和の本質です。

 

日本のワークライフバランスの現状と問題点

過労死やサービス残業の横行する日本の労働環境において、すべての企業でワークライフバランスが保たれているとは言い切れません。仕事と私生活の調和という視点で、日本企業の実情はどのようになっているのでしょうか。

女性の社会進出の遅れや非正規雇用

現状の日本社会は、女性のライフスタイルに適合しているとは言えません。子育てによる職場離脱や役職ポストの少なさなど、女性の社会進出において多くの課題が存在しています。 また、正社員と待遇や保障面で差があり、将来のキャリアの道も狭くなりがちな非正規雇用の多さも問題です。 令和2月14日発表の総務省「労働力調査速報」によると、2019年の非正規の職員・従業員数は2,165万人と前年より45万人増加しています。