東芝が子会社3社を完全子会社化。約2000億円のTOBで株式取得へ

東芝が子会社3社を完全子会社化。約2000億円のTOBで株式取得へ

東芝が3社の子会社を完全子会社化へ

東芝が3社子会社にTOB

  • 東芝が2000億円で子会社3社を完全子会社化
  • 完全子会社化による相乗効果で業績アップを目指す
  • 親子上場による利益相反とは・海外投資家の懸念を解消

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総額約2000億円でTOBにより取得か

今回の東芝が実施するTOBの総額は2000億円といわれ、東芝プラントシステム、ニューフレアテクノロジー、西芝電機の3社の株式を金融商品取引法に基づく公開買い付けにより取得します。噂されていた東芝テックについては、完全子会社化しない方針です。 車谷暢昭会長兼CEOは今回のTOBでグループの力を結集し、その相乗効果によって業績を上げたいと強調しています。 東芝は2018年6月に、主要事業だった東芝メモリを米Bain Capitalのコンソーシアムが設立したPangeaに譲渡したことでも話題になっていました。

 

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3社は上場廃止へ。すでに売買停止

東芝の完全子会社となる3社は上場を廃止します。これによって予てから指摘されていた「親子上場」によるガバナンス(企業統治)問題は解消されるとしています。 12日の株式市場では、3社の完全子会社化の協議が行われていることが分かったことで、東芝プラントシステムの終値は17%高の2,513円でした。同じく西芝電機とニューフレアテクノロジーも制限値幅いっぱいのストップ高となりました。 13日の東京証券取引所は3社の株式を12:34~14:15の間は売買を停止し、15:35から再開し監理銘柄としています。

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完全子会社化の目的は

(画像:Unsplash

東芝は2016年6月に東芝ライフスタイルの株式の80.1%を中国家電大手マンディアグループに譲渡し、2018年2月には東芝プラットフォームソリューションの発行済み株式の全てをTOPSホールディングスに譲渡しています。 この他に東芝メモリの売却など事業の切り売りが目立っていた東芝ですが、グループの一体化による相乗効果に期待する方針に切り替えたとみられています。

情報やノウハウの統一

東芝では3社の完全子会社化により、グループ内の情報やノウハウの統一で相乗効果を高める目的があります。 東芝は2018年11月からの今後5年間で会社変革計画「東芝 Next プラン」を策定し、社会インフラから電子デバイスに至る幅広い分野の強みを生かしたい考えです。 東芝の公開資料によると、情報処理やAI技術の融合で実世界の情報をデジタル分析などを用いて活用しやすくし、フィジカル(実世界)にフィードバックすることで、付加価値や創造する仕組みをつくる世界有数の企業を目指したい考えです。

利益相反の懸念

親子上場は海外の市場では異例だと指摘されており、東芝株主の7割を占めるといわれる海外投資家から、子会社のガバナンスに問題があると指摘されていました。 親子上場は親会社が子会社に大きな影響を与える、「利益相反」の関係にあるといわれています。例えば親会社により子会社が不利な条件で取引を強いたり、親会社が子会社から資金を吸い上げるといったことがあるといわれています。 今回、東芝が行った3社の完全子会社化は、このような利益相反の懸念を解消することもでき、海外の投資家も納得するTOBといえるでしょう。

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