東京海上HDが英再生可能エネルギー向け保険代理店GCubeを買収。収益拡大を目的か?

東京海上HDが英再生可能エネルギー向け保険代理店GCubeを買収。収益拡大を目的か?

東京海上HDが英保険代理店Gキューブを買収

東京海上HDが英保険総代理店GCube社を買収

  • 米グループ会社HCC社を通じ買収、価格は未発表
  • 再生可能エネルギーに特化した保険引き受けに強み
  • 米保険会社ピュアに次ぐ買収、更なる収益拡大を目指す

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アメリカのグループ会社を通じて買収

東京海上ホールディングスの取締役社長グループCEOの小宮 暁(こみやさとる)氏は自社のウェブページ上で、英国に本社を構える保険代理店GCube社を買収したと発表しました。 本件買収は米国のグループ会社HCC Insurance Holdings,Inc.社を通じて実施されたもので、出資資金は全額東京海上ホールディングスの手元資金によって充当したとしています。

 

買収価格は明らかにせず

本件についての買収額は明らかになっていませんが、一部国内メディアによると日本円で数十億円といわれています。東京海上ホールディングスは2015年に米国HCC Insurance Holdings,Inc.社を東京海上日動火災保険の完全子会社にしており、その際の買収価格は約75億ドルでした。 本件買収完了は関係当局の承認等必要な条件を充足させ、2020年度第一四半期(4∼6月)を予定しています。

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再生可能エネルギー向けの保険代理店GCube

GCube社は再生可能エネルギー向けの保険代理店で、英国ロンドンに本社を構えています。欧州では再生可能エネルギー政策を積極的に進める国が多く、同社はオランダのアムステルダムにも事務所をおき事業を展開しています。

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取り扱い保険料は約147億円

GCube社の取り扱い保険料は、2018年実績で約147億円(約132億ドル)、従業員数は約50名と小規模ながら、再生可能エネルギーに関するリスクに特化した保険引き受けのリーディングプレイヤーとして世界各国で事業を展開しています。 再生可能エネルギーは地球温暖化対策の一環として、米国、欧州を中心にエネルギー政策の柱と位置付けられており、継続した成長分野として注目されています。

収益拡大を目指しての買収

東京海上ホールディングスは保険事業を通じて、サスティナブル(持続可能)な未来づくりを推進しており、今後も引き続き成長が期待される再生可能エネルギー分野への進出を加速させたい考えです。 GCube社はこの分野の保険に関する高度なアンダーライティング(保険引き受けの可否判断)力やリスク評価力、損害サービス対応力等の事業基盤を持っており、同社とのシナジーによって収益拡大を狙います。

 

今後の見通しは

東京海上ホールディングスは、2020年2月に米国の富裕層向け保険会社 Privilege Underwriters, Inc.(ピュア)を買収しており、収益性の高い保険引き受け分野を拡大させています。 同社は成長が期待される分野を得意とする海外の保険会社を次々買収することで、他の保険会社との差別化を加速させたい模様です。