【徹底解説】労働生産性の定義や計算式を解説します!

「労働生産性」とは

労働生産性

労働生産性(画像:Unsplash

企業経営や経営企画職などについていない方の場合はなかなか聞き慣れない「労働生産性」という言葉ですが、ビジネスをする上では非常に重要な考え方でこれを意識して仕事ができる人とそうでない人の場合は仕事を通して生み出す付加価値が大きく変わります。 まずは「労働生産性」の正しい意味から確認しましょう。

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「労働生産性」の定義は「労働時間あたりの生産量」

「労働生産性」とは「労働時間あたりの生産量」のことで、労働者一人ひとりがかけた労働時間に対してどれだけの成果を生み出したかを考える概念です。計算結果の数値が大きければ生産性が高く、逆に数値が低ければ生産性が小さいことになります。 企業に務める従業員一人ひとりも「労働生産性」を意識することによって、より高い付加価値を生み出せるようになり、会社としても高い価値を生み出す人材として昇給や昇進の機会を与えやすくなります。 つまりあなたの社会人としての市場価値を測る上でも非常に重要な概念になります。

物的労働生産性

「物的労働生産性」とは、「生産量や販売金額」を生み出された「成果」と定義して労働生産性を測る方法です。 従業員一人の製品製造数や営業活動によって売り上げた合計金額という物理的な「成果」が、従業員の労働時間に対してどれだけ効率的に生み出されているかを判断する指標となります。 そして「物的労働生産性」は一人あたりの生産量や販売価格を上げることで改善できると考えられます。

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付加価値労働生産性

「付加価値労働生産性」とは生み出す「成果」を「付加価値額」と定義して労働生産性を測る方法で、従業員一人が生み出した付加価値が大きい程生産性が高いと判断できるようになるということです。 「付加価値」の定義は複数ありますが最も基本的な定義としては「粗利(=売上総利益)」と考えられることが多いです。 ちなみに「粗利(売上総利益)」とは「営業利益+販売費及び一般管理費」のことを言います。

 

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「労働生産性」の計算方法

労働生産性は下記の計算式で導くことが出来ます。 労働生産性=成果(付加価値や生産量など)÷(労働者数×労働時間) つまり労働時間あたりにどれだけの成果が生まれているかを計算しているということです。分数の計算は分子を増やすか分母を減らすことで答えの数値を増やすことが出来ますが、この労働生産性も「成果(分子)」を増加させるか、「労働時間(分母)」を減らすことによって改善することが出来ます。

日本の「労働生産性」

公益財団日本生産性本部が発表した「日本の労働生産性の動向 2018年版」によれば日本の労働生産性は、2017年度は4,870円で過去最高となっています。 2008年〜2013年はリーマンショックの影響によって一時日本の労働生産性も下落していましたが、2011年度の4,476円を底に2017年までは6年連続で労働生産性は改善傾向が続いています。

ポイント③ビジネスモデルの改善

労働生産性改善の3つ目のポイントは「ビジネスモデルの改善」です。 セールススキルが高くても、一人の顧客に1つの商品しか販売できない場合と複数の商品を販売できる場合には、後者の方が従業員一人あたりの付加価値は高くなります。 そのため、自社の顧客に対して販売できる製品ラインや商品の種類を増やすことで、営業コストに対する販売額が改善できるシステムを経営陣で生み出すことも労働生産性の改善方法の一つです。

「労働生産性」の比較

比較

比較(画像:Unsplash

ここまで労働生産性の定義や改善のために重要なポイントについて説明してきましたが、最後に日本の労働生産性を海外と比較してみましょう。 結論から言うと日本の労働生産性は主要先進国中で最下位となっており、改善の必要性が叫ばれている状態です。

 

国際比較

国際的に見て日本の労働生産性は低い水準にあり、特に主要先進7カ国(G7)の中では50年近く最下位のままです。 特に世界の最たる先進国である米国と比較した場合の日本の労働生産性は、2017年度の数値ではGDPベースで米国が72.0、日本が47.5となり米国の2/3の労働生産性になっています。またOECD加盟35カ国中でも20位と低い水準になっています。 ただし、2010年〜2017年の労働生産性の平均上昇率は1位のドイツの1.1%についで0.9%となっています。

業界比較

労働生産性は事業活動の特色として、資本への依存度が大きい「資本集約的」な業界で労働生産性が高くなります。つまり企業が持つ資本1つから生み出される付加価値が大きい特色がある企業では、労働生産性も高まりやすいということです。 具体的には不動産業・エネルギー事業・金融・保険などの業界では資本から生み出せる付加価値が大きくなりやすく、設備を動かす人員一人あたりの労働生産性が高まる傾向があります。 下記のグラフは公益財団日本生産性本部のデータを参考に作成した労働生産性の業界比較になります。

業界 労働生産性
不動産業 30,384
電気・ガス・水道 13,048
情報通信業 7,629
宿泊・飲食サービス業 2,560
農林水産業
2,255