「糟糠(そうこう)」の意味や「糟糠の妻」を用いた例文や慣用句を紹介

 

「糟糠(そうこう)」の要約

  • 意味:「貧乏なころから大変な時期や苦労を共にしてきた奥さん」
  • 由来:「『後漢書(宋弘伝)』という中国の歴史書」
  • 例文:「長年連れ添った糟糠(そうこう)の妻を捨てて、不倫相手と再婚しようとするなんてあなたは最低です。」
  • 類語:「パートナー」
  • 英語:「one’s wife who has shared joys and sorrows with him all through his life」
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糟糠(そうこう)の意味は「価値のないもの」

(画像:Unsplash

「糟糠(そうこう)の妻」という言葉はよく見聞きしますが、「糟糠(そうこう)」単独で使われていた記憶がない人も多いと思います。そして「妻」にかかる「糟糠(そうこう)」の意味を、的確に理解している人も少ないようです。 「糟糠(そうこう)」には2つの意味があります。1つめは「酒粕や米ぬか」のことで、それが転じて「粗末な食べもの」を意味します。2つめは「値打ちがないあるいはつまらないもの」という意味です。平家物語に、2つめの意味で「糟糠(そうこう)」が使われた文章が出てきます。

 

糟糠の例文

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「糟糠(そうこう)」は「妻」とセットで使われることが多いですが、それだけではありません。

例文

  • 貧しくて食べるものに困れば、糟糠(そうこう)もいとわないものです。

例文

  • 遺伝子を増幅する際には、穀物粒の糟糠(そうこう)を使います。

例文

  • 清盛入道は平氏の糟糠、武家の塵芥なり。 (清盛は平氏のみそっかす、武士のごみです。)

このように、「酒粕」あるいは「米ぬか」という意味で用いられることもあります。科学分野の論文には、この意味で「糟糠(そうこう)」がよく使われているようです。また、人を貶める表現として用いられることもあります。

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糟糠の妻の意味は「貧しいころから共に苦労を重ねてきた妻」

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「糟糠(そうこう)」といえば「妻」を連想する人も多いはずです。「糟糠(そうこう)の妻」とは、「貧乏なころから大変な時期や苦労を共にしてきた奥さん」を意味します。 「糟糠(そうこう)」には「酒粕」「米ぬか」という意味がありますが、そうした粗末なものしか食べられないような生活を共に過ごしてきた奥さんを表しているのです。そこには、貧乏な時代に苦楽を共にしてきた大切な伴侶という意味も含まれています。 しかし結婚式などで「糟糠(そうこう)の妻」を使うべきではありません。「糟糠(そうこう)」が貧しさを連想させると共に、長年連れ添うという意味が含まれているからです。