色即是空(しきそくぜくう)と空即是色(くうぞくぜしき)の違いや語源を解説します。

「色即是空」の要点

  • 意味:「人間を含めあらゆる存在は状態として存在しているだけで、この世界に絶対的に不変だということはありえない」
  • 由来:「『般若心経』に記されている一文」
  • 例文:「あの人は悟ったかのように「色即是空だから」と言うが、私にはただ努力を怠っているようにしか見えない。」
  • 対義語:「空即是色」
  • 英語:「All is vanity.」
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色即是空の読み方は「しきそくぜくう」

(画像:Unsplash

「色即是空」の正しい読みは「しきそくぜくう」です。ぱっと見た時に「色」と「即」という字が見えて「しょくそく」と読んでしまったり、「是」を「これ」と読んでしまう人が意外と多くいます。 「色」という字は「色素」などと同じ「しき」という読み方をします。そして「是」は「是非」と同じで「ぜ」と読みます。「色即是空」の最初の2文字はそれぞれ訓読みをし、最後2文字は音読みをします。

 

色即是空の意味は「全てのものには実体がなく因と縁によって存在する」

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「全てのものには実体がなく」というのは「世の中の全てのものは「空(くう)」であるということを言っています。「空」とは簡単に言うと「不変の本体は存在しない」「すべてはいまある状態にすぎない」ということです。 「因」は内的要因、「縁」は外的要因を意味し、この「因縁」によってあらゆるものは今の形を一時的にとっているだけであるということです。例えば洋服は布と糸でできていますが、分解すると布切れや糸くずでしかありません。布と糸は「因縁」により、「一時的に洋服という状態だった」ということです。 つまり、人間を含めあらゆる存在は状態として存在しているだけで、この世界に絶対的に不変だということはありえません。それが「色即是空」の意味するところです。

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色即是空は空即是色と対の関係

(画像:Unsplash

「色即是空」とセットで使われる「空即是色」という言葉は因果を説いた言葉で、この2つは対の関係にあります。「空即是色」は「くうそくぜしき」と読みます。 「色即是空」は「あらゆるものには実体がない」、「空即是色」は「実体がなくともあらゆるものは存在する」と実は「色即是空」と同じことを言い方を変えて表しています。つまり、「物質の本体に実体がないからこそ、様々なものとして変化しながら存在することができる」という意味です。 「空即是色」は新しいものが生まれるという視点です。「色即是空」は「なくなること」、「空即是色」は「生まれること」を説き、互いの考えがあってこそ世の中が成立していると説いています。