成功裏(せいこうり)と「成功裡」の違いや成功裏の意味や使い方まで丁寧に解説します!

 

成功裏(せいこうり)の意味は「成功と呼ぶにふさわしい状況、状態」

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「成功裏(せいこうり)」は「物事が成功したといってふさわしい状況あるいは状態にあること」を意味します。そこには「ミスやトラブルがあってもそれを鎮める」という、前提があることを忘れてはいけません。 「裏」という字が使われているため、「成功」の対義語である「失敗」を指すと思っている人も多いようですがそれは間違いです。 「成功裏」には、「成功」と「裏」という2つの言葉が含まれています。「成功」は「思いのままに物事をやり遂げる」、「裏」は「物事の状況や状態」「~のうちに」を指します。「成功裏」における「おおむね成功といって差し支えない」という意味は、双方の意味を汲んでいます。 意味を理解するうえでのポイントは、「成功といってもいい」という曖昧さがあることです。そこが「成功」と大きく違います。「成功といっても言い過ぎにならない許容範囲」という意味だと、とらえておきましょう。

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成功裏の方が成功裡より一般的

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パソコンを使っていると、「成功裏」が「成功裡」と変換されることがあります。「成功裡」も、正しい漢字表記です。しかし現代では「成功裏」が正しい国語表記です。古来の日本では「成功裡」が常用されていました。「成功裏」に代わったのは、「裡」が常用漢字から除外されたことがきっかけです。 「裡」は「物事の裏」「ある状態の内側」という、「~のうちに」以外の意味もあわせ持ちます。そう聞くとニュアンスが違うように感じますが、同じことです。 しかしビジネスシーンや試験では間違いだと認識されるので、注意が必要です。知識として頭に入れておくと、世間話のネタになるかもしれません。この機会に「成功裏」の表記を覚えておきましょう。

 

成功裏(せいこうり)の使い方と例文

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「成功裏」は普通、成句を用いた使い方をします。成句とは、決まり文句として使われる言葉のことをいいます。 ここでは「成功裏に終わる」と「成功裏に収める」「成功裏に進む」という使用頻度の高い3つの成句を取り上げ、例文と共に使い方を説明します。ビジネスシーンによって適切な使い方が異なるので、配慮が不可欠です。合わせて簡単に間違った使い方にも触れるので、覚えて日常生活の中で役立ててください。

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例文①成功裏に終わる

「成功裏に終わる」は、「無事に終わる」「良い結果で終わる」ことを表した成句です。 ・最後の個展が成功裏に終わると自然にスタッフから拍手が巻き起こりました。 ・課題や反省点もありますが、プロジェクトは成功裏に終わることができました。 「成功裏に終わる」には、「ミスやトラブルなどもあったけれど、おおむね良い結果で終わった」ことを表し、「安心した」というニュアンスが含まれます。 まれに「成功裏のうちに終わる」という使い方をしている人がいますが、「成功裏」は「~のうちに」という意味を持つので重複表現なので間違った使い方です。