三陽商会が150店舗の閉鎖を検討へ
1分で分かるニュースの要点
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三陽商会もコロナショック?最終損益は26億円の赤字
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バーバリーのライセンス契約終了から経営不振に
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新社長の下、2年で黒字化目指す
コロナショックをもろに受けた三陽商会
三陽商会は4月14日に2020年2月短信報告を発表し売り上げが688億円、最終損益は26億円の赤字になったと発表しました。新型コロナウイルス感染拡大が、実店舗中心の事業展開を続けていた同社にとって痛手となりました。 現中山雅之社長は就任僅か4ヶ月での退任となり、5月から大江伸治(おおえ しんじ)次期社長のもと、不採算店舗150店を閉鎖しリストラも含めた改革を進めるとしています。
赤字額は26億円
三陽商会が今月14日に発表した2020年短期決算では、最終損益26億円と4年連続の赤字となりなりました。前期の18億円を上回る赤字計上で大江伸治次期社長は百貨店などを含め150店を閉鎖するとしています。 赤字拡大の要因を過剰な仕入れによって在庫処分の値引き販売が続いたことをあげ、合理化によって粗利益率を改善したいとしています。
中山雅之社長は退任
退任する現中山雅之社長は1984年に同社に入社後は主に紳士服部門を統括し、バーバリーロンドンなどを手掛けてキャリアを重ね今年1月1日に社長に就任したばかりでした。 三陽商会が今回異例の速さで社長交代に踏み切った背景には、大株主である米投資ファンドRMBキャピタルからの会社売却の圧力がかかっているためで、アパレル企業と繊維業界で実績のある大江雅之氏の起用を急いだ模様です。
2020年1月からわずか4ヵ月での降格
4月14日の2020年2月期決算短信の発表会で、現代表取締役社長中山雅之氏を副社長に降格させ、現副社長執行役員の大江伸治氏を新社長に就任させる新人事を発表しました。5月の株主総会で正式に決定される見通しです。 現中山雅之社長は今年1月1日に現職に着任したばかりでわずか4ヶ月での降格となります。今後は既存の取引先や社員のコミュニケーションを統括し、大江伸治次期社長を後方から支援する方針です。
新社長は副社長の大江伸治氏
大江伸治次期社長は赤字事業を続けていても仕方がないとする方針を語っており、新ブランドについても業績次第では切ることもあると明言しています。 三洋商会は2015年春に主力製品であるバーバリーとのライセンス契約が切れたことで、2016年4月期から赤字に転落しています。新ブランド「キャスト」などを投入し立て直しを図ってきましたが、大江伸治次期社長はブランドより業績を優先する考えです。
バーバリーのライセンス契約終了から経営不振が続く三陽商会
三陽商会は1965年からバーバリー社とライセンス契約を結び、日本向けのブランドを開発するなどバーバリー製品の日本市場への普及に貢献してきました。 しかし、2015年にバーバリー本社との契約が終了し、メインブランドのバーバリーロンドンも撤退しました。ブルーレーベルやブラックレーベルといったバーバリーの名を冠していたブランドはそのまま継続して販売し、新規にライセンスブランドを投入してします。
2年での黒字化を図る
大江伸治次期社長は2022年2月期には売上高550億円、営業利益15億円と2年での黒字化を図ることを目指すとしています。2021年2月期は仕入れを一元管理させ110億円を削減させる計画です。 来年度以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化するか、または短期で終息するか先行きが不透明なため、二通りのシミュレーションを立て追加資金の調達や不動産資産の流動化を検討していくとしています。