「良薬口に苦し」の意味や例文や「忠言耳に逆らう」との違いなど紹介します!

 

良薬口に苦しの意味は「よく効く薬が苦いのと同様に、自分への助言などは辛いが自分のためになるということ」

良薬口に苦し

良薬口に苦し(画像:Unsplash

「良薬口に苦し」とは「よく効く薬が苦いのと同様に、自分への助言などは辛いが自分のためになる」という意味のことわざです。 仕事で先輩や上司から受ける厳しい指摘やアドバイスなども、受けている時は辛くなったり反論したくなるものです。ただ、そうした意見は後々自分の成長の糧になるような貴重な意見だという事を表現した言葉です。つまり、良く効く薬(助言など)は苦み(つらさ)を伴うということです。

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「良薬口に苦し」の由来は故事

「良薬口に苦し」の由来

「良薬口に苦し」の由来(画像:Unsplash

「良薬口に苦し」は、儒教の開祖「孔子」の言葉やその門弟とのやり取りをまとめた『孔子家語(こうしけご)』という書に登場する言葉です。 ここでは、「良い薬はとても苦いが、飲めば病気を直してくれる。人からの忠言も聞いている時には辛いが、自分の行動のためになるものだ」という趣旨の一節が書かれています。 次の見出しにその原文と書き下し文を紹介しています。

 

「良薬口に苦し」の漢文

『孔子家語』で「良薬口に苦し」が登場する一節は、下記のような漢文です。

孔子曰、良藥苦於口、而利於病。忠言逆於耳、而利於行。湯・武以諤諤而昌、桀・紂以唯唯而亡。

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「良薬口に苦し」の書き下しと口語訳

漢文を書き下すと下記のようになります。

孔子曰く、良薬は口に苦けれども、病に利あり。忠言は耳に逆らえども、行いに利あり。湯・武は諤諤(がくがく)を以て昌え、桀・紂は唯唯(いい)を以て亡びたり。

口語に訳すと、「孔子が言うには、良い薬は苦いが病気に効く。忠言を聞くのは耳が痛いが、自分の行動のためになる。湯と武は遠慮せずに議論することで栄え、桀と紂は議論せず言いなりになることで滅びた」となります。

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「お薬口に苦し」の使い方と例文

使い方と例文

使い方と例文(画像:Unsplash

次は「良薬口に苦し」の使い方を3つ紹介します。 「良薬口に苦しと考えて」「良薬口に苦しだった」「良薬口に苦しとなる助言」という3つの表現を紹介します。それぞれの表現について、正しい意味と例文中での使われ方に着目して読み進めてみてください。

例文①良薬口に苦しと考えて

1つ目は、「良薬口に苦しと考えて」という表現です。 ・良薬口に苦しと考えて、新社会人のうちは様々な意見を聞き入れてきた。 「良薬口に苦しと考えて」とは、「今は自分への助言を聞き入れるのが辛いが、将来自分のためになると考えて」という意味です。例文では、助言を聞き入れるのは辛いものの、新社会人のうちはそうした意見も聞き入れて来たという意味が表現されています。

 

例文②良薬口に苦しだった

2つ目は、「良薬口に苦しだった」という表現です。 ・20代の10年間は多くの人から厳しい意見を受けたが、今考えれば「良薬口に苦し」だった。 「良薬口に苦しだった」とは、「昔受けた厳しい指摘や指導は、その当時は耳の痛いものだったが、今振り返って思えば結局全部自分のためだった」という意味です。例文も。20代の10年間で受けた様々な指摘が、今振り返って思えば結局全部自分のためになっていたことを表現しています。

例文③良薬口に苦しとなる助言

3つ目は「良薬口に苦しとなる助言」という表現です。 ・先生からは、良薬口に苦しとなる助言を数多く頂いた。 「良薬口に苦しとなる助言」とは、「聞いている時は耳が痛いが、後々自分に益になる助言」という意味です。例文では、自分を指導してくれる先生からは、指導を受けている時は自分にとって手厳しいと思われても、後々自分に益になる助言を沢山もらっていたことが表現されています。