狼狽(ろうばい)と「混乱」「錯乱」「惑乱」との違いを解説!

「狼狽」(ろうばい)の要点

  • 意味:「慌てふためくこと」
  • 由来:「酉陽雑俎(ゆうようざっと)」「正字通(せいじつう)」
  • 例文:「事あるごとに狼狽することがないように、予め出来る限りの予測を立てておこう。」
  • 類語:「混乱」「錯乱」「惑乱」
  • 英語:「dismay」「panic」「confusion」「consternation」「flurry」
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狼狽とは

狼狽とは

狼狽とは(画像:Unsplash

「狼狽」という言葉の正しい読み方や意味を理解できていますか。この言葉は頻繁に使う言葉ではありませんが、時々耳にする言葉なので正しい意味を知っておく必要があります。 この記事では、「狼狽」の類義語・英語表現・言葉の由来などを紹介していきます。まずこの見出しで読み方と正しい意味を理解しましょう。

 

狼狽の読みは(ろうばい)

「狼狽」の読み方は「ろうばい」です。それぞれの漢字の読み方は、「狼」は音読みで「ロウ」、訓読みで「おおかみ」です。一方、「狽」は音読みでは「バイ」と読み、訓読みの読み方はありません。 つまり、「狼狽」とはそれぞれの漢字の音読みを合わせた読み方です。「狽」は日常生活で使わない漢字なので、読み方をしっかりと覚えておきましょう。

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狼狽の意味は「慌てふためくこと」

「狼狽」の意味は「慌てふためくこと」です。それぞれの漢字の意味は「狼」は動物の「おおかみ」や「あわてる」「うろたえる」という意味です。そして「狽」は狼の一種の架空の生き物のことです。 つまり、「狼狽」は「狼」の「あわてる」という意味が、そのまま「狼狽」という熟語の意味になっています。特殊な意味の漢字なのでしっかりと覚えておく必要があります。

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狼狽の類語は「混乱・錯乱・惑乱」

狼狽の類語

狼狽の類語(画像:Unsplash

「狼狽」は「あわてふためくこと」という意味でした。また読み方も日常生活で頻繁に使う読み方をする漢字ではないので、個別に覚える必要があります。 次は、「狼狽」の類義語に当たる「混乱」「錯乱」「惑乱」という3つの熟語を説明します。類似する意味と、ニュアンスの違いに着目して読み進めてみて下さい。

狼狽と混乱の違い

「狼狽」と「混乱」の違いは、心理的な内容を話しているのか物事の状況を話しているかです。 「混乱」とは、「物事が入り乱れて整理がつかないこと」「物事の整理がつけられず理解できないこと」という意味です。つまり「うろたえる」という精神的な状況に関する意味はありません。 「狼狽」してうろたえている状況では、「混乱」していると言えます。一方で「混乱」していても必ずしも「狼狽」しているとは言えません。

 

狼狽と錯乱の違い

「狼狽」と「錯乱」の違いは、「うろたえている」か「思考が乱れて混乱している」かです。 「錯乱」とは、「考えが入り乱れ、収集のつかない状態」をいいます。「狼狽」以上に精神的に混乱した状態、何も手につかないような状態を指します。また、「錯乱」は精神医学において、患者の症状として使われることもあります。 「狼狽」は日常的にも使いますが、「錯乱」はよほどの状況でない限り使わないため使い分けが必要です。

狼狽と惑乱の違い

「狼狽」と「惑乱(わくらん)」の違いは、「うろたえている」か「頭の中が混乱しているか」です。 「惑乱」の意味は「冷静な判断ができなくなるほど、精神が乱れていること」という意味です。「狼狽」の場合は「慌てふためいている」状態なので、少しニュアンスが異なります。 「混乱している」状態と「慌てている」状態は状況が似ていますが、どちらの意味を伝えたいのかによって使い分けが必要になります。