「涅槃(ねはん)」の意味や由来、「涅槃寂静」についても解説!

 

「涅槃」の要点

  • 意味:「煩悩が消滅し到達した悟りの境地」
  • 由来:「サンスクリット語の『ニルバーナ(nirvana)』」
  • 例文:「私は先に逝ってしまいますが、あなたを涅槃で待っています。」
  • 英語:「Nirvana」
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涅槃(ねはん)の意味は「煩悩が消滅し到達した悟りの境地」

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「涅槃(ねはん)」という言葉は、日常使いする機会は少ないかもしれません。しかし仏教徒にはなじみの言葉です。 「涅槃」は「煩悩が消滅し到達した悟りの境地」という意味です。「修行をすることですべての煩悩から解き放たれ、悟りの智慧(ちえ)を完成する高みに上ったこと」を指しています。 そして「釈迦の入滅」という「お釈迦様が亡くなった」ことを意味した使い方もあります。仏教では「生死を超えた悟りの境地」という意味でも使われます。

 

涅槃の語源はサンスクリット語のニルバーナ

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「涅槃(ねはん)」の語源は、サンスクリット語の「ニルバーナ(nirvana)」とされています。 「ニルバーナ」は「吹き消された」ことを意味しています。仏教ではこの意味に「輪廻転生からの解脱」「智慧により心理を獲得した悟りの境地」という考えが加わっています。そのため「ニルバーナ」を音訳した「涅槃(ねはん)」という言葉が生まれたそうです。 また「涅槃(ねはん)」は北枕の由来とされています。これはお釈迦様が入滅された際、頭を北に顔を西に向けていたといわれているからです。そのため仏教の作法で北枕が取り入れられています。

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涅槃寂静は仏教の教え「三法印」の1つ

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「涅槃(ねはん)」を使った四字熟語に「涅槃寂静」があります。「涅槃寂静」は大乗仏教における基本教義とされる、「三方印」の1つです。「涅槃寂静」の他に「諸行無常印」と「諸法無我印」があります。 この「涅槃寂静」には、「煩悩が消え静かで安らかな悟りの境地」という意味があります。そして漢字を使う文化圏では「数の単位」として用いられる言葉です。数の単位である「涅槃寂静」は10のマイナス24乗を表しており、それより小さな数は存在しません。

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涅槃の使い方と例文

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「涅槃(ねはん)」は名詞として使われることが大半で慣用表現は多くありません。しかし昭和生まれの方には、聞き覚えのある慣用表現もあります。 ここでは「涅槃(ねはん)で待つ」と「涅槃(ねはん)に入る」という2つの使い方について、例文も合わせて説明します。

例文①涅槃で待つ

1983年ある有名俳優が自死しました。その際に残されていた遺書に「涅槃(ねはん)で待つ」という表現が使われ「涅槃」という言葉が一躍有名になったのです。「おやじ涅槃(ねはん)で待っている」がそのときの言葉です。

例文

  • 私は先に逝ってしまいますが、あなたを涅槃で待っています。

涅槃(ねはん)で待つ」という言葉は、「煩悩を吹き消した悟りの境地で待っている」という意味で使われます。しかし受け取り方によっては、「先に逝きますが後を追ってください」というニュアンスが感じられる表現です。

 

例文②涅槃に入る

「涅槃(ねはん)に入る」は、仏教に関わる話の中で聞くことが多い表現です。

例文

  • お釈迦様は涅槃に入るまでに、数多くの教えを残しています。

例文

  • よりたくさんの乗客が不幸な列車事故により涅槃に入りました。

「涅槃に入る」という表現には、「お釈迦様が入滅する」「広く人々が亡くなってしまう」という2つの意味があります。「涅槃」は本来、仏教徒に使われる言葉なので僧侶が亡くなる時にも用いられます。

涅槃の英語は「Nirvana」

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「涅槃(ねはん)」は英訳では「Nirvana」と表します。

名詞である「Nirvana」だけでなく「涅槃に入る」ことを「Buddha attaining Nirvana」などと表現することもあります。