「好事魔多し(こうじまおおし)」の例文や英語、「好事」を用いた他の慣用句も紹介!

 

「好事魔多し」(こうじまおおし)の要点

  • 意味:「良いことには邪魔が入りやすい」
  • 由来:「中国の劇作家・高明が執筆した戯曲『琵琶記(びわき)』」
  • 例文:「2年近く問題も無く順調だが、好事魔多しと考えて何か対策をしておこう。」
  • 類語:「寸善尺魔(すんぜんしゃくま)」「そうは問屋がおろさない」
  • 英語:「Good luck comes by cuffing」
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好事魔多し(こうじまおおし)の意味は「良いことには邪魔が入りやすい」

好事魔多し

好事魔多し(画像:Unsplash

「好事魔多し」は「こうじまおおし」と読み、「良いことには邪魔が入りやすい」という意味がります。 読み方については、すべての漢字が日常生活で使用頻度の多い単語を使っているので、簡単に読むことが出来ると思います。細かい読み方の注意点としては、「好事」「魔」「多し」と区切ることで、意味を踏まえた読み方が出来ます。 意味については「好事には魔が多い」と考えれば分かりやすいです。つまり「良いことやめでたいこと(=好事)」には「邪魔や煩わしいこと(=魔)」が入って来やすいと考えましょう。

 

好事魔多しの語源

好事魔多しの語源

好事魔多しの語源(画像:Unsplash

「好事魔多し」は、中国の劇作家・高明が執筆した戯曲『琵琶記(びわき)』から来ています。 戯曲とは、俳優などによって演じられることを目的として作られた物語で、舞台の台本に近いものです。その形で作られた『琵琶記』は、ある妻が遥か遠くまで夫を尋ねる苦悩を描いた長編物語です。 この物語の作中に「好事多磨」という一節があります。原文では、「魔」は「磨(みがく)」という漢字が使用されていますが、「差し障り」という意味です。ここから「良いことには差し障ることが多い」という意味が用いられるようになりました。

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好事魔多しの使い方と例文

好事魔多しの使い方と例文

好事魔多しの使い方と例文(画像:Unsplash

ここまでは、「好事魔多し」の読み方・意味・由来などについて紹介しましたが、使われている言葉からそのまま意味がイメージできるので、紹介した内容を忘れないようにしましょう。 この見出しからは、「好事魔多し」を実際に使った例文を通して、具体的に使い方を紹介していきます。

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例文①「好事魔多しと考える」

1つ目の例文では、「好事魔多しと考える」という使い方を紹介します。

例文

  • 2年近く問題も無く順調だが、好事魔多しと考えて何か対策をしておこう。

「好事魔多しと考える」は、「良いことが続いている時には邪魔が入るものだと考える」という意味です。例文でも「2年間とりたてて問題がない」という、普通なら気にすることのない順調な状況を警戒して、今後起きうる問題への対策を講じようとしています。

例文②「好事魔多しだ」

2つ目は「好事魔多しだ」という使い方です。

例文

  • 4年間順調な結婚生活だったが、ここに来て夫が体を壊した。まさに好事魔多しだ。

「好事魔多しだ」は「良いことが続いている時には邪魔が入る者だ」という、元の意味で使うことが出来ます。例文も順調な結婚生活で「夫の体調不良」という邪魔が入っています。つまり良いことが続く中で、それを止めるような余計な出来事が起きたと言うことです。

 

好事魔多しの類義語

好事魔多しの類義語

好事魔多しの類義語(画像:Unsplash

「好事魔多し」は前の見出しのように「良いことが続いている時には何か悪いことが起きる」といったような内容を簡単に表現する時に使えます。 次は「好事魔多し」に意味が似ている表現を2つ紹介します。それぞれの表現について、ニュアンスの違いも含めて意味を理解していきましょう。

寸善尺魔

「寸善尺魔」は「すんぜんしゃくま」と読み、意味は「世の中は良いことが少なく悪いことばかり起こる」という意味の四字熟語です。

例文

  • 一流企業に入れたものの、思うように業績も上がらず、人間関係にも悩まされ寸善尺魔だ。

「寸善尺魔」は「寸善」と「尺魔」という2つの熟語に分けられますが、「寸善」は「一寸の良い出来事」、「尺魔」は「一尺の悪い出来事」という意味です。「一寸」とはおよそ3センチ、「一尺」とはおよそ30センチのことなので、ここからも悪いことが沢山起きることが表現されていることが分かります。