嘱託社員の待遇や実態とは。高齢者雇用の現状と絡めて解説。

 

嘱託社員とは

嘱託社員の待遇や実態とは

  • 嘱託社員は契約社員の一形態
  • 嘱託社員は正社員より待遇は下がる
  • 企業にも一定のメリットはあるが先行きは不透明

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嘱託社員と契約社員の違い

嘱託社員と契約社員は違いよりも共通点の方が多いことを理解する必要があります。嘱託社員も契約社員も正社員ではありません。どちらも有期雇用契約を会社と締結します。 1回の契約期間は3年以内と定められており、契約期間が過ぎると更新するか否か会社と相談します。もちろんどちらも合理的な理由なく契約を途中解除されることはありません。 ただ契約社員の多くがフルタイムで働くのに対して、嘱託社員は再雇用などのリタイヤ組が多いことから週3日とか4日とかの契約を結ぶことが多くなっています。

嘱託社員の待遇

嘱託社員が契約社員のひとつの形だということが理解できました。ではその嘱託社員の待遇はどうでしょうか。ボーナスや退職金はあるのでしょうか。福利厚生関係は正社員と比べて何が違うのでしょうか。嘱託社員の待遇に切り込みます。

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ボーナス

ボーナスは会社勤めのサラリーマンには非常にありがたいものですが、嘱託社員にボーナスは出るのでしょうか。 結論からいえば嘱託社員にボーナスが出るかどうかは契約次第です。会社次第といっても構いません。 ボーナスは法的に義務づけられたものではなく、会社の就業規則で定められるのが一般的です。通常再雇用の嘱託社員の場合基本給は正社員より2~5割低くなるとされていますので、出る場合にもボーナスの金額は正社員よりかなり低くなると考えられます。

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退職金

嘱託社員をやめたとき退職金は出るのでしょうか。嘱託社員は複数回有期雇用契約が更新されることが考えられますので、この場合の退職金は最終の雇用契約終了時にもらう一時金です。 嘱託社員の退職金も基本的にはボーナスと同じ考え方です。就業規則にどのように定められているかによって決まります。出る場合もあるし、出なくても違法ということはありません。 多くの嘱託社員の場合退職金の二重・三重取りはないのが一般的です。出ない場合には労働条件通知書に退職金不支給が明示されます。

社会保険

嘱託社員も雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険といった社会保険に加入できます。ただし労災保険以外は条件があることに留意が必要です。 雇用保険に加入できる条件は、「31日以上雇用される見込みがある」ことと「週20時間以上勤務する見込みがある」です。 健康保険と厚生年金保険の加入条件にはA・B二つのパターンがあり、どちらかを満たせば加入できます。以下に条件となっています。

Aの場合:「週の所定労働時間が20時間以上」「賃金月額が月8.8万円以上」「1年以上の勤務が見込まれる」「従業員数501名以上(厚生年金の被保険者数)」 Bの場合:「『1週の所定労働時間』及び『1ヶ月の所定労働日数』が正社員の4分の3以上」「雇用契約期間が2ヶ月を超える見込みがある」

 

有給、福利厚生

嘱託社員にも有給休暇は与えられます。ただし以下に引用する二つの条件を満たす必要があります。 同じ会社で再雇用された嘱託社員の場合は「働き始めた日から6ヶ月経過していること」の条件は不要です。もちろんどれくらいの休暇が取れるかは契約によって変わってきます。 日本の会社は諸外国と比べて福利厚生が充実しているのが特徴です。福利厚生の種類は多様で通勤手当や住宅手当、ヘルスケア、保養施設利用などがあります。当然嘱託社員は正社員に比べて福利厚生の利用は制限されるのが普通ですが、その程度は会社によって大きく異なります。

「働き始めた日から6ヶ月経過していること」「その期間の全労働日の8割以上出勤したこと」

嘱託社員の多い事例は高齢者の再雇用

嘱託社員という用語は法的に定められたものではありません。したがって嘱託社員の正確な定義は必ずしも明確ではなく、いくつかのパターンがそれぞれの会社で運用されているのが実情です。 最も多いのが退職した社員の再雇用です。正社員より大幅に減額された基本給のもとで週に何日か出社する形が多く見られます。当然職務権限はほとんどなくなるのが普通です。 一方で特別な専門スキルを持った外部人材を嘱託社員として雇用する場合もあります。この場合は年齢は関係なく、専門性の度合いによって契約条件が定められます。