傀儡(かいらい)の意味や使い方、類義語のマリオネットとの違い、傀儡師(くぐつし)についても解説!

傀儡(かいらい)の意味は「他人のいいなり」

傀儡の意味

傀儡の意味(画像:Unsplash

「傀儡」は「かいらい」「くぐつ」「でく」と読むやや難しい言葉ですが、政治に関するニュースや書籍などで見かけることもある言葉で、正しい意味を理解しておく必要のある言葉です。 「傀儡」の意味は「他人の言いなりになること」という意味です。現在は「傀儡国家(かいらいこっか)」「傀儡政権(かいらいせいけん)」のように政治について言う時に使われることが多いです。 「傀儡」とはもともと「あやつり人形」のことですが、あやつり人形は自分の意志で動くことができず、舞台裏にいる傀儡師によって動かされます。このアナロジーから「自分の意思で行動しないこと」「他人の言いなりになること」という意味になりました。

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傀儡の類語は「偶人・操り人形・マリオネット」

傀儡の類語

傀儡の類語(画像:Unsplash

「傀儡」の類語には「偶人」「操り人形」「マリオネット」の3つがあります。 それぞれの言葉は全て「人形」という意味は全く同じですが、微妙にニュアンスが異なる言葉もあります。人形としての特徴に少しずつ違いがありますので、それについて紹介していきます。

 

「傀儡」と「偶人」の違い

「傀儡」と「偶人」の違いは、「あやつり人形」か「普通の人形」かです。 「偶人」の読み方は「ぐうじん」「でく」で、「人形」という意味です。「偶人」は普通の人形のことなので、「あやつる」という意味は含まれません。 一方で「傀儡」は紐をつけたり、仕込まれた様々なからくりによって動く人形なので、あやつる仕掛けのない「偶人」とは意味が異なります。

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「傀儡」と「操り人形」の違い

「傀儡」と「あやつり人形」の違いはなく、全く同じ意味です。 「傀儡」を平易な日本語に直すと「あやつり人形」という言葉になるので、「傀儡」と「あやつり人形」には違いはありません。 実際に使う場合には「傀儡」の方がより硬い表現になったり、古い言い方になるのでそうした文体にしたい場合に使うと良いです。一方で「あやつり人形」はより平易な表現になるので、柔らかい文体にしたい時に使うと良いです。

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「傀儡」と「マリオネット」の違い

「傀儡」と「マリオネット」は、「あやつる方法」に違いがあります。 「マリオネット」も「あやつり人形」ですが、「マリオネット」の場合は人形にひもをつなげて、上から紐を吊るすような形にして操ります。 一方で、「傀儡」はひもであやつる他に、事前に仕込んだ「からくり」によって動かすこともあるので、この点で「マリオネット」とは異なります。

傀儡の使い方と例文

傀儡の使い方と例文

傀儡の使い方と例文(画像:Unsplash

次は「傀儡」という言葉の使い方と例文を紹介します。 ここでは「傀儡師」「傀儡国家」「傀儡政権」の3つの表現と合わせて例文を紹介します。どの表現も「他人の言いなりになる」という「傀儡」の元の意味を分かっていれば、簡単に理解できる表現なので、しっかりと覚えておきましょう。

 

例文①傀儡師(くぐつし)

1つ目は「傀儡師」という表現です。 ・彼の指示一つで会社の方針がすべて変わるので、さながら彼は傀儡師のようだ。 「傀儡師」は「くぐつし」と読み、「傀儡」を操る人のことを言います。例文ではそこからのアナロジーで、会社で実権を持つ人のことを「傀儡師」のようだと表現しています。実際に「傀儡師」には「陰で想いのままに人を操る人」「黒幕」などの意味があるので覚えておきましょう。

例文②傀儡国家

2つ目は「傀儡国家」という表現です。 ・日本は、アメリカ合衆国の傀儡国家と言われることがある。 「傀儡国家」は「かいらいこっか」と読みます。意味は「国家の体裁はあるものの、その実権は特定の人物・団体・海外の国家が持っていて、その言いなりになっている国家」です。つまりその国が自主的に動くことは出来ず、「特定の人物・団体・海外の国家」などのあやつり人形になっている国家と言うことです。