「ヒューリスティック」の意味や具体例をわかりやすく解説!

 

ヒューリスティックとは

(画像:Unsplash

仕事や学問の中でヒューリスティックという単語を耳にすることがあります。ヒューリスティックという単語は、意味を正確に理解していないと、前後の文脈から推測するのは困難な単語です。 ここでは、ヒューリスティックの意味をわかりやすく解説します。

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ヒューリスティックの意味は経験に基づく問題解決法

ヒューリスティックの意味は、「経験に基づく問題解決法」です。明確な根拠に基づいて合理的に判断するのではなく、経験則に基づいて直感的に判断することを指します。 人間は、人を判断したり、物を購入するかどうかを決めるときなど、日常生活の様々な場面で無意識にヒューリスティックを使っています。 ヒューリスティックは偏見など誤った認識を導くというリスクもあります。しかし、日常生活においてすべてを理詰めで判断することはできません。ヒューリスティックを用いることで、素早く判断できるというメリットがあります。

 

計算機科学の用法

ヒューリスティックは計算機科学でも用いられます。 計算機科学では、論理的な計算方法では解が得られなかったり膨大な時間がかかったりすることがあります。そんなとき、仮説や経験に基づく計算方法を採用します。これをヒューリスティックといいます。 基本的な意味は心理学でも計算機科学でも同じですが、前者では思考法、後者ではプログラミング方法を指します。この記事では、心理学での用法に焦点をあてて解説します。

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心理学におけるヒューリスティック

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ここまで、ヒューリスティックの基本的な意味と、心理学と計算機科学での用法の違いについて解説しました。ヒューリスティックは日常生活はもちろん、ビジネスにおいても活かすことのできる考え方です。 続いては、営業や商品企画、マーケティングなどで活用できるヒューリスティックを具体例を交えてご紹介します。

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代表性ヒューリスティック

代表性ヒューリスティックとは、典型的なイメージで判断することです。事例は下記の通りです。 ・料理をしているのは、夫ではなく妻だろう。 ・ブランド物であれば間違いなく品質は高いはずだ。 ・窓ガラスを割ったのは、不良の男子学生だろう。 「夫婦の役割分担で、妻が料理を担当することが多い」「以前買ったブランド物の品質が高かった」「不良の男性学生は物を壊してストレス発散する」といった経験則や憶測をもとに、目の前の個別の状況を判断することを代表性ヒューリスティックといいます。 個人的な経験や考えを一般化したり拡大解釈したりすることは、場合によっては人を傷つけることにもつながるため注意が必要です。

利用可能性ヒューリスティック

利用可能性ヒューリスティックとは、簡単に思い出せる事例をもとに判断を下すことです。事例は下記の通りです。 ・どの洗剤を買うべきか迷ったとき、いつもCMで目にする洗剤の方が品質が高く思え、購入した。 ・ある国でのテロのニュースを見たあと、その国を避けてGWの旅行先を決めた。 ・SNSで友人がおすすめしていた洋服を買った。 事例をもとに解説すると、実際に成分を比較したり、海外の犯罪発生率を比較したりするのではなく、思い出しやすい情報をもとに判断することを利用可能性ヒューリスティックといいます。 思い出しやすい情報には、テレビCM、最近見たニュース、SNSでの友人の口コミなどがあります。

 

固着性ヒューリスティック

固着性ヒューリスティックとは、最初に与えられた情報を基準に判断することです。事例は下記の通りです。 ・本来は5万円の商品だが期間限定で3万円で購入できると聞き、つい購入にいたった。 ・分析資料の作成には5日かかる。顧客に事前に伝える期間を1週間から2週間に変えたところ、提出日は変わらないのに顧客の満足度が向上した。 人間は無意識に最初に与えられた情報を基準として、その次に与えられた情報を判断します。「期間限定」「本日限り」などの文言があると、その商品がより魅力的に思えるのも、固着性ヒューリスティックによるものです。 固着性ヒューリスティックはマーケティングで積極的に活用されています。

ヒューリスティックに陥らないポイント

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ヒューリスティックの具体例をご紹介しました。 すべてを公平に判断しようとすると膨大な時間がかかるため、私たちはヒューリスティックに助けられているともいえます。しかし、ヒューリスティックによって判断を誤る危険性もあるため、注意が必要です。 続いて、ヒューリスティックに陥らない方法を解説します。