HOYAがニューフレアに敵対TOBへ。東芝子会社を狙う目的とは?

HOYAがニューフレアに敵対TOBへ。東芝子会社を狙う目的とは?

HOYAがニューフレアに敵対TOB

HOYAが敵対的TOBを実施発表

  • HOYAが東芝子会社のニューフレアテクノロジーに敵対的TOB
  • HOYAは12,900円で買い付けで半導体事業の強化が狙い
  • ニューフレアテクノロジー・東芝との事前協議なし

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1株あたり12,900円の買い付けで最大1477億円ほどか

HOYAの代表取締役CEO(最高経営責任者)の鈴木洋(ひろし)氏は、同社のホームページ上で、最大1477億円(1株12,900円)での買い付けを行うとしています。 東芝Gの1株11,900円よりも1,000円高での買い付けであり、3社にとってメリットがあると強調しています。 TOBにおける買付予定数の下限は7,634,000株(66.67%)と設定しています。2019年11月13日現在で、ニューフレアテクノロジー株6,000,100株(52.40%)を保有する東芝Gが応募することをTOBの条件としています。

 

ニューフレアは現在東芝の子会社

ニューフレアテクノロジーは現在東芝Gの子会社で、2019年11月13日現在、取締役会10名のうち1 名が東芝Gの役職を兼務し、6名が東芝Gから転籍しており殆どの役職員が東芝Gと関係する人事となっています。 東芝GのTOBは、ニューフレアテクノロジーを完全子会社化することが目的であり、ニューフレアテクノロジー側もこれに同意しています。 東芝Gとニューフレアテクノロジーの資本関係は東芝Gが同社の株式10,000株(12.50%)を引き受けたことから始まり現在に至っています。

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ニューフレアは東芝の完全子会社化へTOB最中

東芝はニューフレアテクノロジーの完全子会社化に向けTOBの最中です。ニューフレアテクノロジーの株式はこのところ11,000円後半で推移していましたが、このTOB発表を受けて12月12日現在は13,000円前半まで急騰しています。

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東芝が11月に発表した子会社3社の完全子会社化計画

2019年11月13日、東芝は今回のニューフレアテクノロジーを含めたグループ3社を完全子会社化すると発表しています。子会社再編で少数株主持ち分として外部に流出していた利益を取り込むことが狙いのようです。 完全子会社化するのは東芝プラントシステム、ニューフレアテクノロジー、西芝電機の3社です。 東芝は12月13日に自社のホームページ上で、東京証券取引所の1部上場に向けた手続きを早期に進めたいと発表しており、子会社の再編によって先を行く日立製作所に追いつきたい考えです。

ニューフレアは1株あたり11,900円での買い付け

東芝はニューフレアテクノロジーを、HOYAより1,000円安の1株11,900円で買い付けると発表しています。東芝は11月13日時点で同社の公開買い付けの実施を発表していました。 東芝は、東芝プラントを1株2,670円、西芝電機を同240円とし、総額は約2000億円のTOBになる見込みです。 ニューフレアテクノロジーを完全子会社にすることで、同社の企業価値の向上も図りたい考えで、グループ全体の収益を上げる狙いがあるとみられています。

 

HOYAの買収目的は?

HOYAは基幹事業であるEUVリソグラフィー技術の量産適応を進めたい考えです。 この領域に強みをもつニューフレアテクノロジーの有する知見と組み合わせることで、企業価値を向上させるシナジーが生まれると判断し買収に踏み切った模様です。

半導体関連事業の強化か

半導体事業で最も成長が期待されているEUVリソグラフィーの領域は、非常に精密な技術を要することから、HOYAはニューフレアテクノロジーの知見を組み合わせることによりシナジーが生まれることを期待しています。 また、両社の顧客が共通することもあり、製品のロードマップ(工程表)の対応力が一定の技術だけでなく、市場の成長が期待される分野においても迅速に作成できることから、連携することが最適と考えたようです。 ニューフレアテクノロジーはマスク描写装置や電子ビーム装置などに強みがあり、HOYAは今後の成長分野として積極的な投資対象になると見込んでいます。