「愕然(がくぜん)」の使い方や類語との違いを解説!

「愕然」の要点

  • 意味:「非常に驚くさま」
  • 由来: 中国語
  • 例文:「クライアントに突然取引停止を告げられて、愕然とするしかありませんでした。」
  • 類語:「唖然」「呆然」「茫然」
  • 英語:「amaze」「shock」「astonish」
スポンサーリンク

愕然とは

(画像:Unsplash

日常的に使う機会は少ないものの、文語として頻発する熟語に「愕然」があります。しかし実際に使うとなると、使い方が難しい熟語でもあるようです。 ここでは「愕然」の読み方と共に、正しい意味と由来について説明します。熟語の定義を理解して、正しく使う一助としてください。

 

愕然の読み方は「がくぜん」

「愕然」には「愕」と「然」という2文字が使われています。「愕」は音読みだと「がく」、訓読みだと「おどろ(く)」と読む文字です。一方の「然」は音読みだと「ぜん」「ねん」、訓読みだと「しか(し・も・らば・り)」「も(える)」と読みます。 「愕然」という熟語は音読みの組み合わせで、「がくぜん」となります。

スポンサーリンク

愕然の意味は「非常に驚くさま」

「愕然」を構成する2文字の漢字にも意味があります。「愕」は訓読みにあったように、「驚く」を意味します。そして「然」は「状態」を意味する文字です。 この2文字が使われた「愕然」は、「非常に驚くさま」を意味する熟語です。ただし、驚いている様子を伝えるのではなく、起こった出来事によって起こった気持ちを表して使います。状況説明ではなく、気持ちを表現する熟語として覚えておくとよいでしょう。

スポンサーリンク

愕然の語源

「愕然」はもともと中国語です。「愕然」を中国語で読むと「ウー(ァ) ラァン」といいます。日本語と同じ「びっくりする」という意味の言葉です。 日本に伝わった時期は古く、837年の「続日本後紀」には、「夜分。女盗二人昇二入清涼殿一。天皇愕然」という記述があります。現代語訳すると、「深夜に女の泥棒が2人清涼殿に侵入し、天皇は愕然とした」となります。 「愕然」は中国語とは発音が違いますが、伝来した意味は現代でも使われています。

愕然の類語

(画像:Unsplash

「驚くさま」を表す「愕然」には、いくつもの類語があります。「唖然」「茫然」「呆然」「絶句」などがその一例です。しかし「愕然」とその類語では、用いるべき状況が異なります。 ここでは「愕然」と類語である「唖然」「茫然」「呆然」「絶句」との違いについて、例文を用いて解説します。

 

唖然

「愕然」の類語としてあげられる頻度が高い熟語に、「唖然(あぜん)」があります。

例文

  • 夫に留守番を頼みたった1週間里帰りしただけで、部屋が足の踏み場もないほど散らかっていて唖然としました。
  • 長く付き合ってきた恋人にプロポーズしたのに、「結婚する気はない」と言われて唖然としてしまいました。

「唖然」には、「声も出ないほど驚いた様子」という意味があります。そこには「予想外」「呆れる」というニュアンスが加わっています。「ひどく驚いた心情」を表す「愕然」とは、意味が異なります。

茫然

「愕然」は「とても驚いた気持ち」を意味しますが、「茫然(ぼうぜん)」はニュアンスが異なります。

例文

  • チームのまとめ役だったキャプテンが病気で長期入院を余儀なくされたと知り、メンバーは茫然と立ち尽くしました。

「茫然」には、「予想外の出来事に驚くあまり、どうしたらよいかわからない」という意味があります。「呆気にとられるあまり、我を忘れてぼんやりしてしまう」という意味で使う言葉です。「とても驚いた気持ち」を意味する「愕然」と違い、精神的なショックを受けた状態と表す時に使われます。