フーターズが民事再生法を申請。フーターズの倒産の原因は急速な店舗拡大か。

 

1分でわかるフーターズの倒産

フーターズ倒産の経緯

  • 2006年にアメリカからライセンスを取得し、日本1号店を赤坂見附に開店
  • 東京、大阪、福岡に姉妹店を続々出店するも売上は不振
  • 2019年に福岡店を閉鎖し、同年に民事再生法適用を申請

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フーターズとは

(画像:Unsplash

フーターズはアメリカ発祥のカジュアルレストランで、現在日本では東京に4店舗、名古屋に1店舗で営業しています。もともとは株式会社エッチジェーがライセンスを取得し開業しましたが、現在ではファンダイニング株式会社が事業譲渡を受けて運営しています。 何といっても話題になったのが働く女性店員の開放的な服装で、「フーターズガール」と呼ばれる彼女たちのミスコンテストが開催されるほど人気を集めていました。そんな話題性のあるフーターズの特徴について解説します。

 

アメリカンレストラン

レストランの形態としては、アメリカ風のカジュアルバーレストランです。ハンバーガーやフライドチキン、フライドポテトなどのアメリカ定番のファストフードメニューが中心で、若年層を中心に男女問わず人気を集めていました。 本場アメリカでは現在435店舗を展開しており、海外では日本以外にもオーストラリア・カナダ・中国・ドイツ・イギリスなど全27か国で店舗を出店しています。また2006年には「フーターズカジノ」というカジノ事業、2003年から2006年までは「フーターズエア」という航空事業まで運営するほど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。

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タンクトップに短パンの店員が接客を担当

フーターズの最大の特徴は、若い女性店員がタンクトップと短いホットパンツ姿で接客をするというスタイルです。各テーブルに担当者が付き、その女性がオーダーや料理の配膳を行ってくれます。フーターズガールのダンスタイムが観られ、またお願いをすれば記念写真も撮影できるというサービスもあります。 フーターズのように、女性がセクシーなコスチュームで接客を担当してくれるスタイルのレストランを、ブレスト(胸)+レストランで「ブレストラン」と呼びます。男性にとっては嬉しいサービスのようにも感じられますが、日本人男性とってはこのようなスタイルを受け入れるのは少し難しかったように考えられます。

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フーターズの業績

(画像:Unsplash

若者が集まりやすいカジュアルな雰囲気に、若い女性の刺激的な格好による接客サービスが話題を生み、メディアでも大きく取り上げられて人気を集めました。しかしながら話題とは裏腹に業績は振るわず、店舗は相次ぐ閉鎖に追い込まれました。 なぜ話題を集めた人気店が倒産しなければならなかったのか、その秘密に迫ります。

売り上げは下降の一途

過激なサービスによる話題性とは裏腹に業績は振るわず、売り上げは下降の一途をたどります。カジュアルなスタイルは若年層の人気を集める反面、客単価は低い割に女性のサービスによって滞在時間が長く回転率が悪いといった、都市部の一等地に店舗を構える上では悪循環な状況でした。 相次ぐ出店も売り上げ不振から窮地に立たされ、2017年に開店した福岡店も2019年にはわずか2年で閉鎖することとなってしまいました。その後大阪店も開店から6年で閉鎖しました。

 

負債額は5億6000万円

全盛期では東京・大阪・名古屋・福岡で7店舗を展開し、年間で17億円の売り上げを出していました。1店舗あたり2億4000万円、1日あたりでは65万円の売り上げです。都市部の一等地で出店するには厳しい業績であったといえます。 メディアによって話題を集め勢いのあったように見えたフーターズも、その裏では苦しい経営状況が続いていました。倒産時の負債総額は5億6000万円あったといわれています。

アメリカでも業績は悪化している

本場アメリカでも2012年から2016年の間に7%の店舗が閉店に追い込まれており、業績は厳しい状況であると言えます。 要因は2つ挙げられており、1つはライバル店の出店です。フーターズは他のブレストランの中でも刺激が弱すぎると見られており、露出度のより高いライバル店「ツインピークス」が大きく売り上げを伸ばしています。 もう1つは女性蔑視の観点です。2017年より世界中でセクハラ問題に注目が集まり、カジュアルな雰囲気の中で女性蔑視を後押ししているとして、フーターズのイメージは大きく下がりました。