ドン・キホーテが橘百貨店を買収。経営不振の橘百貨店の再建に自信か?

ドン・キホーテが橘百貨店を買収。経営不振の橘百貨店の再建に自信か?

ドン・キホーテが橘百貨店を買収

ニュースの要点

  • ドン・キホーテが宮崎県の橘百貨店を買収
  • 熾烈な小売業の生存競争
  • 大手スーパーも続々と買収し傘下に

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パンパシフィックインターナショナルHDが橘HDを買収

ドン・キホーテを連結子会社に持つパンパシフィックインターナショナルホールディングスは2月1日付で宮崎県で百貨店などを運営する橘ホールディングスを買収しました。 これによりパンパシフィックインターナショナルホールディングスは橘ホールディングスの保有する商業施設「ボンベルタ橘」と宿泊施設「エアラインホテル」を傘下に収めることになりました。 「ボンベルタ橘」はドン・キホーテを核とした商業施設に業態転換するとみられており、この度の買収をもって宮崎県内の地元資本による百貨店は消滅します。

 

買収額は明らかにせず

既に2月1日に譲渡手続きは完了していますが、買収額は明らかになっていません。 株式売却により橘百貨店の経営陣は2月1日付で退任となり、百貨店とホテルの従業員併せて約110名は雇用継続となる見通しです。 「ボンベルタ橘」は3月末に閉店後ドン・キホーテが核となる商業施設として10月をめどに再オープンし、「エアラインホテル」は4月以降も営業を継続する見込みです。

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経営に苦しんでいた橘HD

橘ホールディングスは他店との競合に負けての倒産・ジャスコによる再建・そして県内企業の支援による新法人設立などの歴史を持っています。何とか百貨店を残したいという地元の意向がそこには窺えますが、橘百貨店はどういった経営状況だったのでしょうか。

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橘百貨店

橘ホールディングスの前身は1952年に株式会社橘百貨店です。宮崎県で親しまれた百貨店でした。 その後倒産の憂き目にもあい、イオンの前身のジャスコによる再建を経て「ボンベルタ橘」として再オープンしましたが、2007年にはイオンの百貨店事業の縮小が決定してグループからは離脱しています。 何とか地元百貨店を守ろうという動きの中で宮崎県下の企業による出資で2008年に橘ホールディングスが設立されて現在に至ります。

エアラインホテル

「エアラインホテル」は「ボンベルタ橘」に隣接しているホテルです。 宮崎駅からも1キロ圏内で空港からのバスのアクセスも良い利便性が高い立地にあり、ビジネスや観光の拠点としても使えてコストパフォーマンスも良好です。 ただホテル業界も百貨店業界同様に競争が激化しており、稼働率や収益率の安定を求めるためには他施設との差別化を図っていく必要性があります。

 

パンパシフィックインターナショナルHDは再建に自信か?

パンパシフィックインターナショナルホールディングスは大手スーパーの大型買収によって急成長しています。これまでのパンパシフィックインターナショナルホールディングスの企業買収はどうだったのでしょうか。

2007年の長崎屋買収

2007年の長崎屋買収も話題となりました。 売上げ不振にあえいでいた長崎屋はドン・キホーテの傘下に入ることにより全国各地にある店舗は一部ドン・キホーテへと業態転換し、共同仕入れによるコスト削減を進めてきました。 現在ではほとんどの店舗がMEGA・ドン・キホーテへとシフトしており、長崎屋としての店舗は数店となっています。ドン・キホーテはこの長崎屋買収により、都市部だけではなく食品部門や地方展開の強化を成し遂げています。