DeNAが501億円の赤字に転落。減損の大部分はのれん。業績回復への道とは?

 

DeNAが501億円の赤字に転落

DeNAが赤字に転落

  • ゲーム事業の不振などで501億円の赤字に転落
  • 業績回復のための3つの方針とは
  • 進化が問われる2020年

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ゲーム事業の不振やのれん代が影響

IT企業大手のDeNAはゲーム事業の「負ののれん代」が影響し、第3四半期連結決算の純利益が501億円になると発表しました。 グループ全体の売上収益は911億62百万円で、前年同期比マイナス3.7%と苦戦しました。

 

売り上げは3.7%減

DeNAの第3四半期連結累計期間(2019年4月1日から2019年12月31日まで)において、ペイジェントやDeNAトラベルを連結範囲外にしたことや、ゲーム事業の減収が響き、前年同期比で3.7%減少しました。 同社は既存事業のコスト削減を図ってきましたが、ゲーム事業のマーケティング費用やスポーツ事業でのコストが影響しました。 また、新規事業の立ち上げにかかる成長投資の費用が増加したことも、減収減損の要因の一つにあげています。

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ngmocoののれんが大きく影響

ゲーム事業では、2010年に買収したアメリカのゲームメーカーngmocoののれん代が大きく影響しました。 同事業の減損損失の401億円がのれん代で、そのほとんどはngmocoによるものとしています。ngmocoはユーザー数2000万人を超える「モバゲータウン」を展開していましたが、フィーチャーフォンからスマホへプラットフォームが移ったことで収益が悪化し、2016年に解散しています。 DeNAは当時の買収目的として、同社のノウハウを生かしエンターテイメント環境をスマホ上に実現させたいと述べていました。

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南場智子会長と守安功社長が役員報酬を返上

5日に開かれた取締役会において、代表取締役兼CEOの守安 功氏、及び取締役会会長の南場 智子氏から役員報酬を50%返上(3カ月間)返上したいとの申し出があり、取締役会はそれを受け入れたと発表しました。

業績回復への施策は?

DeNAは来季の業績回復の方針として、ゲーム事業の収益基盤の再強化、新規事業への成長投資、全事業・機能の見直しによる固定費の削減をあげています。

 

マリオカートやスラムダンクなどのゲーム事業強化

ゲーム事業では、163の国と地域にユーザーを持つ任天堂との協業タイトル「マリオカートツアー」が好調です。 また、2019年12月5日に中国簡体字(かんたいじ)圏で開始した「スラムダンク」などが売り上げに貢献しており、引き続きパイプライン戦略でトップラインの積み上げを目指す計画です。 更に、新規タイトルの開発も活発に進めていく考えで、開発管理プロセスの改善やタイトルごとの収益の強化を図るとしています。

成長投資への最適化

新規事業領域では、収益化の確実性、サービスプロジェクトの性質・フェーズ等を勘案し、3つの方針で事業ポートフォリオを再整理し、新たな柱となる事業構築を目指す考えです。 具体的には、「pooch」「kenkom」などヘルスケア事業への成長に応じた規律ある投資、また同社の持つAI技術を生かした他業種との協業による柔軟な資本政策・最良の座組の選択、ファンドを通じたインキュベーションにより、損益影響を大幅に改善させるとしています。 新規事業としては、日本交通と同社が開発したMOV(タクシー配車アプリ)を統合した事業を4月1日に発足する予定です。