デファクトスタンダードとは
スタンダード(画像:Unsplash)
社会人になってもそれほど頻繁に耳にすることのない「デファクトスタンダード」という言葉ですが、実は「デファクトスタンダード」の獲得を目指した競争は身近なところで頻繁に起こっています。 まずは「デファクトスタンダード」という言葉の正しい意味を確認していきます。
デファクトスタンダードの意味は事実上の標準
「デファクトスタンダード」とは「法的に決まっていないものの、業界の標準になった規格や商品」のことです。 法律で決められた規格ではないため、デファクトスタンダードが生まれるためには市場における自由競争によって、その規格が利便性や価格などの理由から業界の標準として認められる必要があります。 デファクト化に成功すると購買者が増加して企業収益に直結するため、これを目指す企業は非常に沢山あります。
デファクトスタンダードの英語はde facto standard
デファクトスタンダードは英語の「de facto standard」を日本語に訳したものです。 正しくは「de facto」はラテン語ですが、訳すと「事実上の、実際には」という意味で、法律等によって決まったのでは無く、「習慣として決まった」というニュアンスがあります。 また「standard」はそのまま日本語に訳して「スタンダード」や「標準」という意味になります。
デファクトスタンダードの具体例
デファクト化の例(画像:Unsplash)
自由競争の結果、自社商品が業界のデファクトスタンダードを獲得すると、自社規格を使用するための利用料からも収益を得られるようになります。 ここでは自由競争の結果デファクトスタンダードを獲得した「USB」「windowsのソフトウェア」「DVD」の3つについて説明します。
USB
USBはコンピューターの周辺機器をコンピューターに接続する際に使用される端子の規格ですが、これはデファクトスタンダードとなった典型的な例です。 周辺機器を接続するだけでなく、USBメモリが登場したことでデータをコンピューター外に保存する際にも使用されるようになり、その使用用途の広さから事実上の標準規格として幅広い電子機器で使われるようになりました。
windowsのソフトウェア
「windowsのソフトウェア」もデファクトスタンダードを獲得した事例に当てはまります。 windowsのソフトウェアが開発された時期は流通していた機器の性能の低さや、Macintoshに技術提供していた事で、自社のソフトの流通が難しい状況でした。 しかし、機器の処理能力向上や電子機器マニアに売り込んだことで、利便性が認められてから一気に普及することになります。
DVD
DVDもデファクトスタンダードを獲得した事例と考えられます。 DVDの前には日本ビクターが開発したVHSが一般家庭で映像を見る際の標準規格になっていましたが、日本ビクター・東芝・松下電器など7社が新たに開発した規格が受け入れられてDVDが普及するようになります。 また現在はDVDに比べて録画容量が大きく画質もいいBlue-rayがさらに普及して、デファクトスタンダードを獲得しつつあります。
デファクトスタンダードを獲得するポイント
デファクト化のコツ(画像:Unsplash)
市場でデファクトスタンダードを獲得するためには、現在の規格よりもより利便性の高い規格にする必要がありますが、その他にも重要なポイントがあります。 ここでは「業界最大手企業を巻き込む」「特許を取る」の2点をご紹介します。