バーターという言葉の芸能界、政界、貿易の3つの業界での意味や使い方を解説!

 

バーターって一体どういう意味なの?

「バーター」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? おそらくほとんどの人はテレビの「バーター出演」という表現の仕方で聞いたことがあると思います。 そのため「バーター」という言葉を聞いたとき、いい印象を抱かないでしょう。 ですがこの「バーター」という言葉はさまざまな分野でしっかりとした意味を持っています。 例えば、芸能界で使われている「バーター」と本来の言葉である「バーター」の意味合いが異なります。 その他の分野にも貿易のジャンルや政界においてもバーターというワードは使われています。 そして分野によって、意味合いが微妙に異なっていきます。 そんなバーターの意味を深くみていきましょう。

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バーターの語源って?

 バーターとはもともと英単語で書いた場合、 barter と表記されます。 この言葉の意味は、物々交換です。 また物を交換するだけでなく、名誉や地位などと利益と交換するといった意味合いも持ちます。 その代表的な例が選挙活動にあります。 互いに違う地区の選挙立候補者を応援することで、双方の利益を得ていくといった手法です。 このように、バーター(barter)の言葉の意味には、交換という意味が強く含まれています。

 

芸能界におけるバーターの意味と使い方

では芸能界の「バーター」はどのような意味で使われているのでしょうか? その意味は、先ほどご紹介したバーター(barter)とは異なります。 皆さんが一番よくご存知である芸能界の「バーター」は実は「束(たば)」の逆さ読みであります。 そのため、厳密には本来のバーターの言葉とは何の関係も持ちません。 この場合の「バーター」は大物芸能人や人気芸能人との抱き合わせ出演という意味になります。 ここからはそのパターンを見ていきましょう。

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セット

芸能界の手段であるバーターの一つとしてセットがあります。 このケースでは例えば映画の宣伝の際に、主役と一緒に他のキャストも番組に出るなどがあります。 この場合のバーターはあまり違和感がないため反感を買う要素が少ないです。

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売り込み

次にご紹介する芸能界のバーターのケースは売り込みです。 例えば、大手事務所に期待の若手女優が入ってきたとします。 その若手女優を番組のパネラーに起用したり、映画の主演に起用したりします。 最近では、そのマーケティング手法があまりにも露骨すぎてよく反感を買っています。 売名行為として事務所のバーターは仕方がないことなのかもしれませんが、ある程度節度を保った方法で「バーター」をしてほしいものですね。

抱き合わせ

そして一番世間から反感を買われる芸能界の「バーター」の手法がこの抱き合わせです。 俳優の友人として他の俳優が抱き合わせで出てくる場合は、番組の進行上で考えても自然でありあまり反感を買いません。 問題となってくるのは、大御所と呼ばれる紹介やツテで聞いたこともない無名俳優がゲストやレギュラーで座っている事です。 はっきり言って違和感しかありませんね。 このような場合において、視聴者は抱き合わせ出演だなと感じます。 時には悪意ある視聴者からクレームを受ける可能性があります。

 

貿易におけるバーターの意味と使い方

貿易の場合においても、バーターという言葉が用いられています。 その名も「バーター貿易」 いかにもな名前ですね。 その意味は輸出と輸入を完全に物々交換で行うものです。求償貿易とも呼ばれます。 本来の貿易のカタチでは、どうしても輸出と輸入の際に通貨の差額が生じてきます。 その貨幣を介在させないことによって、バーター貿易を現実のものとしています。 この事のを応用として、金額ではなく物品の数量で輸出入を決めているバーター制という制度もあります。 ではなぜバーター貿易が誕生したのか? その歴史を見ていきましょう。

バーター貿易

バーター貿易は1930年代の世界恐慌の際に、広く用いられました。 その当時、すでに経済のシステムは崩壊されており、対外の商取引を問わず、各国の経済も非常に乱れていました。 そのため貿易間で発生する為替レートを除外した貿易システムが必要となりました。 厳密には物々交換取引ではなく、売買契約に基づく方法でしたがさまざまな国の中で採用されていくようになりました。 第二次世界大戦後もその名残は残っており、主に発展途上国との間の貿易で採用されています。

バーター取引

また「バーター取引」という言葉もあります。 バーター貿易の意味は 現金を使わずに、商品やサービスを交換することで取引を行うこと。 となっています。 バーター貿易の縮小版と、とらえるとよいでしょう。 最近、評価経済という言葉をよく聞くようになりました。 その経済圏の考えは、この「バーター取引」そのものであります。 自分の技術と相手の才能を交換することで、双方が合意します。その上で、経済圏を発達させていこうという考え方です。

政界におけるバーターの意味と使い方

政界のニュースにおいてもこのバーターという言葉はよく登場します。 そしてそのほとんどが良いニュースではありません。 各国の首脳の考えにはそれぞれの国を良くしたいという思惑があり、そのことを実現しようと首脳会談が行われていきます。 しかし実際には思惑通りその会談が進まないことも多く、膠着状態に陥ることもよくあります。 そのようなケースにおいて登場するのが、政治における「バーター」という考え方です。 相手の望むものをこちらから差し出すことによって、政治を円滑にしようと目論むことを示します。

 

裏取引

そのため政治の「バーター」は裏取引と呼ばれることも多いです。 2016年の政治の際に、安倍政権はロシアと交渉していました。 その交渉内容とは「北方領土問題」です。 ただこの交渉は昔からの因縁の問題でもあり、なかなか円滑に議論が進んでいませんでした。 そこで安倍政権はバーターを持ちかけたと言われています。 ロイター通信ではそのバーター材料は国民の年金資産だったと発表しています。 そのため事実かどうかは定かではありませんが、この件は当時ワイドショーで話題になりました。 もちろんコメンテーターの意見は、政権に対する非難ばかりのものとなりました。 このように政治の交渉の場において、フラットな状態のままでは議論が一向に進まない。 そのようなケースにおいて「バーター」は発揮されていきます。

バーターって英語で何ていうの?

バーターは元来、英語の言葉であります。 そのスペルは barter となっています。 その意味は「物々交換」であります。 英語の意味から本来のバーターの意味がわかりますね!